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A「..そうなの、実はね」
山田くんは手を止めず、
二回目の粉ふるいに入った
山田「高校の人?」
A「んー、、高校の人..でもあり、中学の人 でもあるかな..」
山田「..誰だろ、俺知ってる人か、」
山田くんをちらっと見たけど、
表情変わらず、手の狂いもなく、淡々と作業を続けている
A「...有岡大貴って、覚えてる?」
一瞬目が斜め上を見てから、
うんうんと頷く
山田「あー、大ちゃんって呼ばれてたやつね、わかるわかる、あいつなのね!」
A「うん...」
メレンゲができて、冷蔵庫に苺を取りに行く私
卵を溶いて、
ふるった粉に少しずつ加えている山田くん
数秒の沈黙がなんだか辛くて、
なんか、聞いた方が良いかなと思って、
A「..山田くんは?彼女、いるの?」
山田「俺?俺はいないよ笑」
A「..そうなんだ、いそうだと思ったのに」
悔しいけど、
どこか安心してる自分に気付く
山田「そうかな?いやー、やっぱね、ずーっと転勤族だったから、どうせ好きになってもすぐお別れだろって思っちゃってたしね。もうしばらく恋とかしてなかったよ」
A「そっか、そうだったんだ..」
洗った苺をひとつずつ切り始める
山田「...あ、でも最近気になってる人がいて」
..!
ドキンっとして、危うく変な切り方するとこだった
山田「でもその人、彼氏いるらしいんだよね、」
少し不機嫌ともとれる口調で言う
A「そっか...」
山田「...あ、悪いんだけど、フィナンシェ見てくんね?もしかしたらそろそろかも」
A「あ、うん...!!」
設定時間残り1分半を残している
オーブンの扉越しに見ると、ちょうど良さそうに焼けていた
A「ちょうど良さそう!出してみちゃうね!」
山田「お、さんきゅー!」
それっきり、
山田くんの「気になる人」についての話題が出ることはなかった
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mika(プロフ) - 有岡大貴さん» 有岡さん(о´∀`о)コメントありがとうございます!期待に添えるお話の書けるように頑張ります! (2018年4月23日 17時) (レス) id: f53b9b9cc3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡大貴 - おもしろいですよ!続きが気になります(^_-)-☆ (2018年4月23日 17時) (レス) id: 62b049ed6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mika | 作成日時:2018年4月12日 23時