7話 ページ7
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「じゃあ、ここはテストに出すからね。次のページ……」
授業中。
Aは自分の席に座り、教室を見渡していた。
たまに、見えてないのをいいことに、委員長の目の前までいってちょっとした変顔をしたりしていた。
『ねー、キヨくん。授業中にこんな大声で話しても怒られないなんて、最高だね。』
俺も答えようとしたが、今は授業中だった、と寸でのところで思いとどまる。
そこて俺は、ノートの端に小さく走り書きをした。
《悪いけど今授業中だから。》
『……キヨくん、授業とか真面目に聞くタイプなの？』
……少なくとも、そうでないことは確かだ。
《そうじゃなくて。流石に小声でもバレるから。》
『うーーん。じゃあ黙ってた方がいいのか……暇だし、屋上行ってくるね。』
そう言ってAは、教室のドアをすり抜けて消えてしまった。
――――――――――――――――――――――――――
3人からの昼食の誘いを断り、俺は一足先に購買部でパンを買って屋上に向かった。
あれからAは帰ってきていない。様子を見に行くべきだと思ったからだ。
屋上の扉を開けると、案の定Aはそこにいた。
「何やってんの。」
『んー、人間観察？』
「下誰もいねぇだろ…」
俺の背丈などゆうに越えるであろう金網に寄りかかるAの隣に、俺は焼きそばパンの袋を開けながら座った。
「お前、腹減らねぇの。」
『うん。今は何だか、大好きだったお好み焼きも食べたいって思えないの。』
そう言われ俺は、Aはが昨日「好きな食べ物はお好み焼き」と言っていたのを思い出す。
腹が減らないって、どういう感覚なんだろうか。一見羨ましいが、よくよく考えるとかなり恐ろしい。俺には想像できなかった。
『だから、キヨくんが食べてる焼きそばパンも、美味しそうって思わないや。前は好きだったんだけどなあ。』
「お前、祭りの屋台で出そうなモンばっか好きだな。」
『えへへー。』
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作者名：しゃーぷぺんしるのしん | 作成日時：2019年2月12日 20時
