小悪魔ボーイ(4)リクエスト ページ21
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突然だが、私は板倉滉という男と付き合っている。だけど私は彼が嫌いだ。自分でもこの感情がよく分からないが、とにかく彼が好きなのに嫌い。
そんなことを考えていると、私のスマホが震えた。手に取ると噂をすればの板倉滉。嬉しさで直ぐに応答ボタンを押そうとしていたが、一旦1呼吸を置いた。
そして気合を入れて応答ボタンを押した。
「 あ、もしもし〜A?今駅にいんだけどさ、迎えに来て!」
「 はっ?駅?迎え?なに、アンタ日本に帰ってきてるの!?なんで伝えてくんないのよ! 」
「 えぇ…だって驚かせたかったんだもん。それに日本に帰ってきて一番最初にAが見たかったからさぁ… 」
「 っ〜〜〜〜!!!もう!わかったよ!!どうせ私の最寄りでしょ?!15分くらいするけどいいのね!? 」
滉の口車に乗せられているような気もするが、帰ってきて一番最初に会いたいと言われてしまえばもう何も言えなかった。急いで車を走らせれば、バスターミナル付近でベンチに座りながらスマホをいじっている滉を見つけた。
滉は私の車に気づくと、小走りで走ってくる。
ちょうど空いている場所があったのでそこに停めてトランクを開けた。
「 A〜〜っ!会いたかった… 」
「 ……私も。 」
人目をはばからず抱きついてくるので困るが、その行為がとても嬉しかった。トランクにスーツケースを詰め込んで私が運転席に座ろうとすると、滉が「待って、俺が運転するよ!」と言った。キュンと胸が高鳴ったが、ここで油断してはいけない。
「 …あっ、免許更新してなかった。 」
…やっぱり。私はため息をつくとそのまま運転席に座った。
「 やっぱり落ち着くわ。日本は。 」
「 そーですか… 」
「 あっ、でもAといるからかな?落ち着くのは。 」
こういうところ。こういうところがずるい。わざとなのかそれとも真面目なのか。ハンドルを握る手に力がこもった。
私の左隣に座り、のんびりする滉。時々「でもやっぱ右ハンドルに違和感ある」なんて言うから殴りたくなる。
「 うわ、めっちゃ久しぶりなんだけどAの家。あれ、模様替えした?なんかオシャレになってる。 」
「 なんでわかんの… 」
「 え、だってそれはAが好きだから? 」
出た小悪魔滉。私の些細な変化に気づいてくれて、それを伝えてくれる。女の子からしたら嬉しいったらありゃしない。
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ゆりこ(プロフ) - 続編是非是非お願いします🙇♀️💓 (2023年3月21日 0時) (レス) @page49 id: 77cf571e3a (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - こんばんは。続編、ぜひお願いします。面白いので。。 (2023年3月20日 20時) (レス) id: d7601bed17 (このIDを非表示/違反報告)
ヒョナ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます📔♡ 続編希望です!!リクエストもまたさせていただきたいです☺︎ (2023年3月20日 19時) (レス) id: 915f0aebf7 (このIDを非表示/違反報告)
ミミミのミ(プロフ) - 続編希望です…❥🫣リクエストも思いついた時に送らせていただきたい所存です(p_x)❕ (2023年3月20日 19時) (レス) @page49 id: 2bc7b134a4 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - ミーこさん» わざわざお返事ありがとうございます。ミーこさんの文章は中毒性があり、続きを読みたくなります。本当にお金出して依頼したいくらいお気に入りです。これからも手が空いた時で良いのでよろしくお願いします。 (2023年3月15日 21時) (レス) id: d7601bed17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミーこ | 作成日時:2023年1月15日 13時