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「 こっち向いて。 」

「 …ん、なに? 」




そっぽ向いた顔を伊東くんの方へ向けると、目の前はドアップの伊東くんの顔で占めていた。胸がギュッ、と掴まれたような感覚になり、恥ずかしさのあまり後退ろうとすると伊東くんに手を掴まれて阻止されてしまった。





「 せっかくの着物汚れる。 」

「 あっ、ほんとだ…ごめん。 」




座り直した私の腕から伊東くんの手が離れた。どこか寂しい気もするが、気を取り直して花火を見る。

…が、全くと言っていいほど集中できない。先程から隣からの視線が強くて気になってしまう。





「 伊東くん、どうし… 」




言葉を失う。伊東くんが私の後頭部に手を置いて、伊東くんの肩へと引いたから。突然のことにびっくりする。目の前は伊東くんが着ているTシャツの白と、伊東くんの優しい香り。




「 A……いや、A… 」

「 えっ、わたしの名前… 」




緊張しすぎてあまり話すことが出来なかった。無言のまま見つめあう私たち。伊東くんの暖かい手が私の頬に触れる。触れられたところが異常に熱を持っている気がする。

そうしているうちにどんどんと伊東くんの顔が近づいてくる。何故かこの時、私はこの先何をされるのかわかっていた。ドコドコとうるさい心臓に緊張しつつ、私は目を閉じた。




真っ暗な視界の中、伊東くんの匂いが強くすると思った途端唇になにかが触れる感触がした。

柔らかいそれは、やはり"それ"で、私はまぶたをゆっくりと開けた。目の前の伊東くんは真剣な顔で、真っ赤に色付いた頬をしている。




「 伊東くん… 」

「 …好き。Aのことが好き。…1年生の頃からずっと好きだった。 」

「 え… 」




まさかの事実に血液が沸騰してしまうのではないかと言うほどに体温がせり上がっていく。嬉しさのあまり涙まで出てきてしまった。




「 わ、私も好き…でした。 」

「 っっしゃ〜っ……良かった〜〜断られるかと思ってた、A可愛いから。 」

「 えっ、う、ううん、そんなことないよ。私こそ伊東くん… 」

「 純也。 」

「 え? 」

「 純也って名前で呼んで。 」

「 …じゅ、純也? 」

「 なに? 」




そう言っていたずらに笑う君に心臓がぎゅっと苦しくなった。そんな彼に私はやっぱり、






あぁ、君は本当に心臓に悪い。






そう思うのであった。






end

ーーーーーー

私にしては珍しく長いお話。(中編くらいかな😂?)
いとじゅん高校生設定書きやすいです。

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ゆりこ(プロフ) - 続編是非是非お願いします🙇‍♀️💓 (2023年3月21日 0時) (レス) @page49 id: 77cf571e3a (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - こんばんは。続編、ぜひお願いします。面白いので。。 (2023年3月20日 20時) (レス) id: d7601bed17 (このIDを非表示/違反報告)
ヒョナ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます📔♡ 続編希望です!!リクエストもまたさせていただきたいです☺︎ (2023年3月20日 19時) (レス) id: 915f0aebf7 (このIDを非表示/違反報告)
ミミミのミ(プロフ) - 続編希望です…❥🫣リクエストも思いついた時に送らせていただきたい所存です(p_x)❕ (2023年3月20日 19時) (レス) @page49 id: 2bc7b134a4 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - ミーこさん» わざわざお返事ありがとうございます。ミーこさんの文章は中毒性があり、続きを読みたくなります。本当にお金出して依頼したいくらいお気に入りです。これからも手が空いた時で良いのでよろしくお願いします。 (2023年3月15日 21時) (レス) id: d7601bed17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミーこ | 作成日時:2023年1月15日 13時

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