君の1番になりたくて。（16）リクエスト ページ38
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「 会いたい。 」
突然スマホに届いた彼からのLINE。最後に話したのは2ヶ月前。それも彼からの「会いたい」コールだった。彼には婚約済の彼女がいて、こんな関係ダメだとわかっているのに彼を求めてしまう私がいる。
きっと彼からしたら私はやりたい時にやれる都合のいい女だろう。もうそれでもいい。馬鹿で都合のいい女になってあげるから、ただただそばに置いて欲しい。
どうせ彼の1番にはなれやしないとわかっているのに、彼がいいねと言った服を着て、彼が好きと言った髪型にする。
「 …はは、バカみたい。 」
目の前の鏡に写った私は嬉しそうな悲しそうな顔をしていて思わず笑ってしまった。
家を出て彼の指定したホテルへと行く。部屋に入った瞬間に貪るようにキスをされ、私は嬉しさから目を閉じる。
「 …A、舌出して。 」
「 …ん。 」
貴方は私の名前を呼ぶのに、私は健洋と呼ぶことさえ許されない。でもこの時だけは私だけを視界に入れてくれている。その幸せだけに目を向けたいのに、彼の右手の薬指にあるキラキラと輝く指輪がウザったい。
「 指輪、外して。 」
「 …は？なんで？俺が婚約してるから？ 」
「しまった」ただそれだけだった。
思っていたことを口に出してしまった。上半身裸の彼が眉間に皺を寄せる。下手したらもう会わないなんて言われかねない。私は焦って言い訳をした。
「 ち、違うわよ。触る時に冷たくて集中出来ないの。 」
「 あぁ、そういう事ね。ごめん、わかった外すわ。 」
言い訳する声は震えていて、自分でもバカげた言い分に笑ってしまいそう。彼はすんなりということを聞いて指輪を大事にポケットにしまった。
事が終わったあと、興味のないように振る舞って彼に質問をした。
「 結婚したらどうすんの？私との関係辞めるの？ 」
「 んー、アイツとの体の相性悪くてさ。全然気持ちよくなれないんだよ。でもAとはめちゃめちゃ良くてさ。…ごめん、都合いいように扱って。嫌だよね？ 」
…優しくしないで。
その稀に見える優しさが私を沼らせる。ゴツゴツとした男らしい指で私の頭を撫でると、私に背を向けて寝始めた。
「 …帰りな。同棲してなくとも女は勘が鋭いから。 」
「 そっか、じゃあ帰ろうかな。 」
そう言うと貴方は「じゃあね、A」と私の頭を乱雑に撫でた。
「 …健洋。 」
誰もいない部屋で貴方の名前を呟いてみた。
end
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guppy __(プロフ) - 続編楽しみにしてます🥺 (2023年1月15日 14時) (
レス) @page49 id: 176c8baa35 (このIDを非表示/違反報告)
あらの(プロフ) - 続編是非作っていただきたいです！ (2023年1月15日 13時) (レス) @page49 id: 3067e121b1 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 続編めっちゃほしいです！ (2023年1月15日 13時) (レス) @page49 id: 38b7637fef (このIDを非表示/違反報告)
イトジュン - 続編して欲しいです。更新、楽しみにしていますゆっくりで、いいですよ。 (2023年1月15日 13時) (レス) @page49 id: e586254f05 (このIDを非表示/違反報告)
課長封月X(プロフ) - めっっっっちゃ続編欲しいです涙 (2023年1月15日 12時) (レス) @page49 id: 160d503e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミーこ | 作成日時：2022年12月25日 10時
