お着替え（10）リクエスト ページ26
･
選手たちの練習が終わり、私たちは練習場の片付けをしていた。選手たちが練習に使った用具を片付けたり、ボールを磨いたりなど。私は選手達が使った用具を仕舞うため、室内を彷徨っていた。
「 あれ〜、ここら辺って教わった気がしたんだけどな〜。 」
用具倉庫を探しているといつの間にか迷子になってしまっていた。何がなんだか分からず、私はとりあえず目の前にあったドアを開けてみた。
「 …え、A、ちゃん…？ 」
用具倉庫かと思って開けてみたところ、目の前には上半身に何も纏っていない南野さんがいた。私も南野さんも、何が起こったのか理解するのに処理がかかったのか2人長いこと見つめていたと思う。
「 ……っあ！、ごっ、ごめんなさっ、！倉庫かと思って…！！ 」
手を膝にピタリとつけて勢いよくお辞儀をする。
…あれ？私用具持ってたよね？何故手に何も無いの？
と思った時にはもう遅く、ガタガタガシャン！と音を立てて落ちていく用具達が。
「 っ〜〜！！ほっ、ほんとに申し訳ないですっ！！ 」
南野さんの方は見ないよう、顔をしっかりと下に固定して用具を拾う。あまりの恥ずかしさに目に膜が張る。内心終わったと絶望しつつ、私はカゴに用具を入れ続けた。その時、「っふ、あはは！！」という笑い声とともに目の前にしゃがむ足があった。
観念して顔を上げると、そこにはまだ服を着ていない南野さんが優しい眼差しでしゃがんでいた。
「 はー、Aちゃんかわええな。しっかり笑わせてもらったわ。 」
「 ごっ、ごめんなさい…！ 」
「 なんで謝るの。かわええって言ってるやん。 」
そう優しく言うと、落ちた用具を拾って丁寧にカゴの中へと入れてくださった。あまりの優しさに耐えきれず涙を一滴流すと、「えっ！？なんで泣くん！？半裸がダメやった？」とワタワタしているのが少し可愛い。
「 いえ、優しいなって思って… 」
「 …あー、あかん。ほんまにあかん。…今から俺と一緒に行こか、倉庫。着替えるから外で待っとき」
「 えっ、そんな…！あ、ありがとうございます！」
言われるがままに外に出る。私の頭の中にあるのはがっしりとした腹筋やふくらはぎ、それに優しく微笑んでくれたあの顔だった。しばらく待っていると南野さんが出てきて、「着いてき」と言ってくださったので大人しく着いていく。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 329人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
guppy __(プロフ) - 続編楽しみにしてます🥺 (2023年1月15日 14時) (
レス) @page49 id: 176c8baa35 (このIDを非表示/違反報告)
あらの(プロフ) - 続編是非作っていただきたいです！ (2023年1月15日 13時) (レス) @page49 id: 3067e121b1 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 続編めっちゃほしいです！ (2023年1月15日 13時) (レス) @page49 id: 38b7637fef (このIDを非表示/違反報告)
イトジュン - 続編して欲しいです。更新、楽しみにしていますゆっくりで、いいですよ。 (2023年1月15日 13時) (レス) @page49 id: e586254f05 (このIDを非表示/違反報告)
課長封月X(プロフ) - めっっっっちゃ続編欲しいです涙 (2023年1月15日 12時) (レス) @page49 id: 160d503e2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミーこ | 作成日時：2022年12月25日 10時
