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遅刻した。
完全に遅刻だ。
夜遅くまで本を読んでいたから。
｢朝…苦手。｣
言い訳を言いつつ早足歩く彼、
雨宮悠牙(あまみやゆうが)は異能使いである。
いや。まじで、ほんとに。
異能使いといってもそんな大したもんじゃない。
外国でうまれたために英語が得意で言霊が使えるくらいだが、そういうのを鬼才というらしい。
休日の朝なのにやけに静かな街を早足に抜け、悠牙は先日とどいた手紙を手に差出人の元を目指す。
「異能…研究者？」
オカルトオタクの間違いだろう。
根掘り葉掘り質問されてオカルト雑誌にちっちゃく載るのが落ちだ。
だが、悠牙はその研究者とやらを尋ね遙々アメリカからやって来た。
それは差出人に聞きたいことがあるからだ。
刹那。つむじ風のような音とともに一片の瓦礫が悠牙をめがけて飛来してきた。
「―っ！」
悠牙は大きく息を吸い冷静さを取り戻すと飛来してくる瓦礫にむかって手をかざしなにを思ったのか鞄を開き本を取り出した。
「stop(止まれ)」
流暢な英語でそうつぶやくと本が開き中から光が現れる。
その光が瓦礫を包み込むと瓦礫は意志を持ったかのように悠牙の鼻をかすめる寸前で空中に留まった。
「ふう…。日本は瓦礫が降ってくる国…ってわけはないか。」
あろうことか瓦礫が飛んできた方向は目的地の方向なのである。
(何か起こったのか？)
いやな予感を覚え悠牙は早足に目的地に向かう。
平和な日常生活を祈って。
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時岡氷雨(プロフ) - 作者です。受験勉強があるため、更新が疎かになりがちになっています。申し訳ありません。私もできる限り時間を見つけて更新するつもりでございます。温かい眼差しで見守っていただけると幸いでございます。今後ともよろしくお願いします。 (2016年12月8日 13時) (
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作者名：時岡氷雨 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/momotyn0504/
作成日時：2016年10月25日 10時
