其ノ拾玖 ページ20
「って事は……」
「お前らは分かりやすい癖に不器用なんだよなぁ……」
お茶を啜りながら口元を緩める宇髄は3人の嫁と顔を合わせてにこりと微笑む。
あぁ、こう見るとイケメンだわ。
「?ド派手な俺に見惚れちまったか?」
「前言撤回。黙ってればイケメン」
「ハッハッハ!!嫌いじゃないぜそういうところ」
「あー、これくらい分かりやすかったらなぁ……」
それは思う、と3人のお嫁さんは頷いた。
「まぁ、大丈夫だろ。帰ってきたらあいつから来る。じゃ、とりあえず酒飲むか!」
「いや私未成年!」
「まぁまぁ」
「最悪だよこの大人。自分が飲みたいが為に子供に酒のまそうとするなんて」
18は十分大人だ、と言い切る宇髄に苦笑いをする。
「ありがとうございました。……頑張ります」
「あぁ。まぁここまで来たんだゆっくりしていけ」
須磨さんが張り切って料理を作ると言って夕飯をご馳走になることになった。まだ夕方の為、3人のお嫁さんは買い出しに行くと言って宇髄と二人きりにされた。
「不死川のどこに惚れたんだ?」
「唐突ですか」
唐突の質問に戸惑いながら答えた。
「……見た目と筋肉と、あんな見た目なのに優しいところですかね。なんだかんだ手加減してくれますし訓練。もっと吐くくらいやさられるかと思って覚悟してたんですけどね……」
「なるほどな……変わんねぇなぁ……お前らは」
「なんですか……?」
「いや、なんでもねぇ」
暫くたわいもない会話をして、刻々と時間は過ぎていった。
忍びの生活や、3人の嫁との馴れ初め。足抜してきた理由を詳しく聞けた。逆に自分がいた世界の話をするとものすごく興味を持ってくれた。
「車……車か!派手派手だなァ!」
特に車やバイクに興味があるらしい。
宇髄さんらしいや。
「いつかきっと見れますよ」
「だといいなぁ……まぁ、そっちよりもお前ら2人の行方のが気になるけどな」
ニヤリと上からドヤ顔された。
なんだその顔……。
「……まぁ、頑張ります」
「初夜を迎えたら教えてくれ。気になる」
「ド変態ですか貴方は」
その勢いで嫁との話をされそうになったからすかさず止めたと同時に、3人が帰ってきてその日の夜は楽しく過ごせた。
その夜の帰り道、密かに実弥さんが帰ってきたら思いを伝えようと決めた。
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作者名:かふぇもか | 作成日時:2019年11月3日 15時