其ノ弐拾弐 ページ23
「凄いなぁ……」
「……そうかな?僕からしたらAさんの方が凄いよ」
「えっ、どうして?」
「秘密」
少し声を明るく言う無一郎に萌えてしまった。
「今度一緒に紙飛行機作ろう」
「いいね!今度遊びに行くよ」
「待ってる!」
そんな会話をしながら日が落ちてきた頃、無一郎がお腹がすいたと言うから帰る途中、うどん屋さんによった。
店を出る頃には完全に日が落ちていた。
「いやー、すっかり日落ちちゃったね」
「うん……楽しかった」
「良かった」
頭をわしゃわしゃと撫でると、無邪気に笑う無一郎。
その帰り道、街の手前の山道が不穏な空気に覆われていた。無一郎が「ごめん、辿ってもいい?」と聞いてくるものだから首を振りざるを得ない。辿っていくと、動物の死体が原型を留めていなかった。
「なにこれ……」
「……Aさん、これ、何だかわかる?」
「……原型が無くて分からないよ……」
「…………これ、人間だよ」
静かに言う無一郎の顔は、"それ"を見て離さなかった。
静かに剣を構え、ゆっくりと抜く。
「そんなに強い鬼じゃないといいな……」
「……嘘でしょ」
こんなところに鬼がいるなんて。
生憎自分の剣は持ってないし、隊服を着ていること以外、使えるものが何も無い。
「逃げて。逃げて隊員を呼ぶんだ」
黙って頷き走り出そうとすると、目の前に鬼が現れる。
何こいつ……どこから出てきたの……。
「ヒヒ……美味そうな人間だなぁ……匂いがするぜぇ……強くなれそうな……いい匂いだ」
その鬼は目を瞑りぽつりぽつりと呟くように話す。
カッと目を開けた瞬間映るものは、下陸の文字。
「十二鬼月!?」
「……厄介だね……」
自分をかばうように手で鬼との間の距離をとり、剣を構える無一郎。
「逃げようとしても無駄だからなぁ……他に鬼拾……じゅう……も居るんだぜ」
下弦の陸の部下が10も……?
「僕の鴉が今助けを呼びに行ってる。次いでにA3が自分を守れるように剣を持ってくるようにも頼んだ。来るまでの辛抱だから……避け続けてね」
それだけ言って下弦の陸に斬り掛かる無一郎。
「……無駄だぁ、お前らは俺に手を下されずに死ぬんだ」
そう言い残し暗闇に消える鬼。代わりに一体の鬼が出てきた。
「……邪魔だよ」
そう言ってどんどんと雑魚鬼を倒し、部下である主格の鬼の首を掻っ切った。
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作者名:かふぇもか | 作成日時:2019年11月3日 15時