其ノ壱 ページ2
気がつくとそこは夢の中の様だった。
ふわふわと体が宙に浮いていて夢心地がした。
(私は死んだの……?)
頭の中で尋ねても、目を開けても視界は真っ白で誰も居ないのだから答えてくれるはずもない。
短かった人生だな。たった18年の人生。何が起こってこうなってしまったのかも分からずに滅されてしまうのか……。願うならば2次元に飛びたいな……現実で苦しむことがないような楽な人生を歩みたい。
そう切に願っていると、急に違和感を感じる。その瞬間に感じた。
やばい、落ちる。
そう思ったのも束の間、ありえないくらいの速度で体が落ち始めた。
「えっ……えぇぇぇえ!?」
心からこんなに叫んだことは無い。まさか、死んだ後もこんな怖い思いをするとは……。
頭を守るように横向きになり、何となく体育で習った柔道の受身の体制に入る。
あー、こういう時に体育の授業が役立つのか。初めて知った。
ていうかいつまで落ちるのこれ。
ドスッという空気が抜ける重さを感じ、砂利の音が響く。
「ったぁ〜……ぁ…?」
目を恐る恐る開けると、見たことの無い服を着た人達がこちらを食い入るようにみていた。
「っ……?」
ゆっくり起き上がると、皆立膝だ。
……なんで立膝?
どこか見た事ある顔つき、というか全員知っている……。
「宇髄天元……?」
そう名前をつぶやくとさらに目を見開く派手な格好をしている人。そう、とても、派手。
このポジ見た事あるぞ……なんだっけここの景色……産屋敷邸の……
「柱合会議だ!!」
じゃあ振り返ったら産屋敷耀哉が居るってこと……?
そもそもなんで私は……
「トリップ……?」
というかまずい。こんな変な格好で空から大事な時に降ってきて、偉い人の前でこんな醜態を晒しているなんて……。
「ごめんなさい首は切らないでくださぃぃー!」
「あァ?」
この声……不死川実弥……だ。殺される。
「殺しゃしねーよ!ボソボソ1人で話やがって気持ちわりぃなァ!!」
「ひぃぃごめんなさい!!」
「派手に落ちてきやがったなぁ……惚れ惚れするぜ」
「なんと…………南無阿弥陀仏…」
「……雲をぬけてきたんだね……」
「顔を赤くして可愛いわ!」
「お怪我はないですか?お嬢さん」
「大事な会議中に邪魔が入ったな…なんなんだこの小汚い娘はつまみだせ。なんなら俺が引き裂いてやる。早く出てってもらわないと困る」
「よもやよもや!!天から女子が降ってきおったぞ!」
「…」
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作者名:かふぇもか | 作成日時:2019年11月3日 15時