5話 ページ5
「……………………」
「…………えっ……と…………」
先ほど出勤した中島敦はソファの上に毛布でぐるぐる巻になりながら丸まっている謎の生物を凝視していた。
「敦くーん、おはよー」
「あ、ああ太宰さん。おはようございます…」
「遅かったねぇ、国木田君に怒られちゃうよ?」
「いえ、今日は用事で国木田さんには許可を……ってそうじゃなくて、
あれなんなんですか……?」
「ん?ああ」
話を振ると太宰は思い出したとでも言うようにそれに近づいて話しかけ始めた。
「おーい、いい加減機嫌を直しておくれよ」
そして太宰が生き物の頭部らしき場所を両手で手荒に撫で回すようにするとはだけた場所から泣き腫らした少女(という年齢でもないのかもしれないが)が伺えた。
「女の子……?」
「ごめんってば、ねえもういいだろう?」
「え、太宰さん何したんですか……?」
浮気男の言い訳のような口振りに思わず疑いの目が向けられた。
「違うよ、そうではなくて……」
「お嫁に行けないカラダにされました……」
「ちょっ!?!?」
「はあ!?!?」
少女の口から上ずった声で、しかし確かにそう聞こえその場の空気が凍りついた。
しかしすぐさま中島敦の猛攻が始まった。
「だだだ太宰さん遂に強要を!?!?」
「え、国木田さんが言っていた深くは話せないってそういう……」
「ちち違うよ敦君に谷崎君まで!!!!というか遂にって何、何時かやると思ってたの!?」
「うわ、ちょっとこっち来ないでください!!!」
酷い!!と喚き散らす太宰から少女を出来るだけ遠ざけようとする中島敦、
めげずに近づこうとして足蹴にされている太宰、
ショックが大きかったのかまだ若干ぐずっている少女、
動揺を隠せないその周囲。
もうしっちゃかめっちゃかになっていた中、探偵社の扉が開いた。
「…………どうなってんだい?」
「!与謝野さん!実は今太宰さんが……」
「与謝野先生弁解しておくれよ!!敦君が信じてくれないんだ!!」
「はあ?」
「っうわああああああああん」
「うわっ」
突然少女が明らかに怯え始めた。
すると与謝野さんの後ろから入ってきていたらしい国木田さんが少女の肩を掴んで慰めるように背中をさすり始めた。
「だから一般人にはやめておくべきだと……」
「文句でもあるのかい?」
「……いえ」
「え?」
「国木田君っ!!君から皆に説明しておくれよ!!」
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ももっと(プロフ) - 寝夢@ノーアル団さん» 勿体ないお言葉...!!かなりのんびりな更新ですが、のんびり待っていて頂けると 嬉しいです! (2017年11月22日 22時) (レス) id: a5964b6165 (このIDを非表示/違反報告)
ももっと(プロフ) - 橙蝶 血暗さん» ありがとうございます...!励みになります! (2017年11月22日 22時) (レス) id: a5964b6165 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@ノーアル団(プロフ) - 物凄く面白かったです。いやもう同じジャンル書いてる者として尊敬の域です。更新切に待ってます…! (2017年11月18日 6時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
橙蝶 血暗(プロフ) - 続き待ってました!面白かったです! (2017年11月7日 18時) (レス) id: c5dce0cdd3 (このIDを非表示/違反報告)
橙蝶 血暗(プロフ) - ももっとさん» 勿論です!楽しみにしてます! (2017年9月24日 16時) (レス) id: c5dce0cdd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももっと | 作成日時:2017年7月2日 22時