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3話 ページ3

「…………。」

「……あの、本当にもう大丈夫です。ご迷惑お掛けしました。」

「ん?そうかい?」

「はい、ありがとうございます」

「なら良いんだけど……女の子が外で寝るなんて危ないからね、ちゃんと誰かに相談しなさいよ」

「はい、帰ったら医師に相談してみようと思います」

「それがいいね。」



そのまま出ていこうとすると『与謝野』さんに止められ、寝ていたというところまで案内してくれるという。

……正直とても助かる。




「あっそうだ織田作さん……」


ふと思い出した。補修に入れたままだ。鴎外先生に迷惑を掛けてしまったかもしれない。


「?どうしたんだい?」

「いえ!大丈夫です」


慌てて返事をして与謝野さんの待っている扉へ向かうが、何故か突然後ろに引っ張られそのままバランスを崩し、再びベットへと逆戻りした。


「…………へ」


どうやら『太宰』さんが腕を引いたらしい。
……先程まで、反対側のベットで遊んでいたのに、いつの間に。



「……どこで知った」



ひやりと背筋の凍る声がした。

先程までのおちゃらけた様な表情から一変、憎悪にまみれた表情で私を睨みつける。




「………………何をですか」

「織田作の事だ、何処で知った!!!!!」

「ちょっとアンタ、何してんだい!」


与謝野さんに引っ張られてもびくともしない。気がつけば首を掴まれていた。



「っよく分かりませんが言えません、帰ります!」



すぐさま面倒に巻き込まれないよう手から無理やり抜け出して扉へ向かう。

が、けたたましい音と共に私は動きを止めた。


肩から血が吹き出していた。現状が理解出来ずにふらふらと倒れる。

他2人は硬直していたが、やがて気がついたように動き出した。



「なっ…………ちょっとアンタ、大丈夫かい!?しっかりおし!!!」

「太宰貴様、一般人に発砲するなど……!!!!!」

「…………」



『太宰』さんは依然として黙ったままだった。

肩の傷口を押さえ込み『太宰』さんに向き直る。



「……」



彼にじっと見つめ返す。



「………………"太宰さん"」

「………………」



そう口にすると、不思議と違和感がなかった。

彼は私が知っている太宰さんではないけれど、不思議と彼は『太宰治』だと確信が持てた。

……にわかには、信じ難いけれど。





「……どの世界でも、安吾さんと織田作さんと太宰さんは3人なんですね。」

「!」

「このままでは貴方に殺されかねない。お話します。」

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設定タグ:文アル , 文スト , クロスオーバー   
作品ジャンル:アニメ
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ももっと(プロフ) - 寝夢@ノーアル団さん» 勿体ないお言葉...!!かなりのんびりな更新ですが、のんびり待っていて頂けると 嬉しいです! (2017年11月22日 22時) (レス) id: a5964b6165 (このIDを非表示/違反報告)
ももっと(プロフ) - 橙蝶 血暗さん» ありがとうございます...!励みになります! (2017年11月22日 22時) (レス) id: a5964b6165 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@ノーアル団(プロフ) - 物凄く面白かったです。いやもう同じジャンル書いてる者として尊敬の域です。更新切に待ってます…! (2017年11月18日 6時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
橙蝶 血暗(プロフ) - 続き待ってました!面白かったです! (2017年11月7日 18時) (レス) id: c5dce0cdd3 (このIDを非表示/違反報告)
橙蝶 血暗(プロフ) - ももっとさん» 勿論です!楽しみにしてます! (2017年9月24日 16時) (レス) id: c5dce0cdd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももっと | 作成日時:2017年7月2日 22時

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