1話 ページ1
「会派三、撤退です!直ちに帰還してください!」
「すまんなぁお司書はん……ってて……」
「いえそんな!私こそ無理をさせてしまいました……もっと用心すべきでした……ごめんなさい」
「ええよええよ〜、どおにも弓の方々みたいに避けられんでなぁ」
「やはり武器の重量の問題もあるのでしょうか……あ、寝室空いたみたいです」
「お、ほなゆっくりして来ますわ!」
彼は初期文豪として選ぶことの出来る織田作之助。
そしてこの図書館唯一の女性である司書、A。
幸か不幸か、彼女の図書館には人々の羨む"虹レア"が物凄い早さできた。
が、何故かコモンである文豪の出率が偏りに偏って、会派一がほぼカンスト状態であるにも関わらず織田作之助がここに来たのはつい最近だった。
「ちょちょちょちょっと!!!ねえ!!!」
「!太宰さん、」
「織田作が、耗弱って聞い、聞い、」
「あ、あの落ち着いてください、今しがた寝室に……」
「大丈夫なの!?ねえ!!!」
「おい太宰、Aちゃん困ってんだろ……落ち着け」
「安吾、っうぅ……くそ……俺が……俺が代わりに行けばよかった……っ」
「す、すみません……でもあの、それだと経験値が貰えないので……」
「そりゃそうだ、悪ぃな。連れ出す。……アンタも大変だな、こんな奴らばっかの相手なんて。」
「いえそんな……、偉業をなした方は個性が強いと言いますので私からしたら羨ましいものです」
「はは、まあなんかあったら相談しな」
そう言いながら太宰さんの首根っこを掴んで自室へと向かう安吾さん。
「鴎外先生」
「む、司書か。どうした?」
「織田作さんの補修時間、どのくらいになりそうですか?」
「そうだな…1時間程度だろう。調速機を使うか?」
「いえ、時間がありそうなら昼寝でもしようかと……」
「ああ、そうするといい。……彼が起きても来ないようなら、次の者に声を掛けておくからゆっくりしてきなさい」
「ふふ、ありがとうございます」
それでは、と会釈をすると軽い返事を返し再び本に目を落としていた。
司書を勤め始めてもう半年が過ぎた。
図書館も賑やかになってきて信頼も得ている。
耳をすませば誰かの楽しげな笑い声が聞こえてくる。
あたたかい。
そんな感慨に浸っていると不思議と瞼は重くなって行くもので、気がつけば深い眠りに落ちていた。
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ももっと(プロフ) - 寝夢@ノーアル団さん» 勿体ないお言葉...!!かなりのんびりな更新ですが、のんびり待っていて頂けると 嬉しいです! (2017年11月22日 22時) (レス) id: a5964b6165 (このIDを非表示/違反報告)
ももっと(プロフ) - 橙蝶 血暗さん» ありがとうございます...!励みになります! (2017年11月22日 22時) (レス) id: a5964b6165 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@ノーアル団(プロフ) - 物凄く面白かったです。いやもう同じジャンル書いてる者として尊敬の域です。更新切に待ってます…! (2017年11月18日 6時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
橙蝶 血暗(プロフ) - 続き待ってました!面白かったです! (2017年11月7日 18時) (レス) id: c5dce0cdd3 (このIDを非表示/違反報告)
橙蝶 血暗(プロフ) - ももっとさん» 勿論です!楽しみにしてます! (2017年9月24日 16時) (レス) id: c5dce0cdd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももっと | 作成日時:2017年7月2日 22時