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ーyokoー
｢思ったより早かったな｣
｢はい！いい子にしてたので！｣
｢模範生やってな…。気分はどうや｣
｢やっとマルちゃんに触れます！最高です！｣
｢そらよかったな｣
｢またやったら、逆戻りやぞ｣
｢大丈夫です！もうしません！｣
｢ホンマか？｣
｢はい！マルちゃんはもう僕から離れられないので｣
｢そうか。よう面会来てたんやってな｣
｢あ！マルちゃんや！｣
｢出迎え、か｣
｢では、横山さん。お世話になりました！｣
その姿はまるで主人の帰りを待ちわび、玄関まで出迎えに行く犬のよう
いや、そんな可愛いもんちゃうか
この犬は狂ってる。
模範生だったのもそうだが、決定打は多額の保釈金。
主人のために、父親の遺産と自身の全財産を注ぎ込み、足りひん分はどこからか借金か？
おい、そこの野次馬たち
どこかのアホな記者みたく、犬の頭撫でようとして噛みつかれんよう気をつけや？
こちらを振り返り｢バイバーイ｣と手を振るそいつに背を向け、聞こえへん忠告をしておく
｢俺の忠義にあんなことして、許さへんから｣
そう毎日大量の手紙が送られるようになるのは
案外すぐのことやった。
end.
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作者名：時音 | 作成日時：2021年10月9日 0時
