to you .3

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うわぁ！むっちゃいい匂い！


グリルからとり出したサワラはめっちゃいい焼き加減で、無意識に顔が綻ぶ


あいつもきっと喜ぶやろな


｢焼けたで〜｣


潜ってた布団からゴソゴソ顔を出す


｢あれ、刺身やないん？｣


ちょっと待って。


今なんて？


｢焼けって言うたやん｣


俺の聞き間違いですか？


｢今刺身の気分や｣


自分の眉間に力が入っているのがわかる。


当の本人は、そんなこと気にもせず


口をキュッと結んで、俺と俺の刺身を交互にきゅるっとしたデカい目で見つめる。


これに弱い…


｢はぁ｣


｢ん〜！うま！｣


喜んでもらえて良かったです


｢そっちもええ匂いするな｣


結局食べたいんかい


｢入るん？｣


｢いや、いらん｣


なんやねん。


今めっちゃ食べたそうな顔してたやん


｢俺下手やねん。お前がやってくれるんやったらめっちゃ食いたい｣


野良猫のくせに何言うてるん？思ったけど、身を解して骨も取ってやれば、満面の笑みで口に入れる


｢うわっ…うんま…｣


こいつの気分屋にももう慣れたわ

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