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｢あ、間違ってるで｣
｢え、｣
コツンコツンとディスプレイをつつく
｢黒やなくて黄色な｣
黒が仕事で黄色がプライベート。
社長は予定を色ごとに分けて管理している。
他にもちょこちょこ分けてるけど、主にはこの2色。
俺とのミーティングが黄色、つまりプライベートということは…
｢デート。｣
スラッとした手にあご乗せて
艶やかな唇から落とされるその言葉
こういう時、大人の色気を出してくるんがずるい…
｢わかりました｣
｢ちゃうやろ？｣
｢わかった…｣
｢よろしい｣
少年のようなしたったり顔にも、俺は弱かったりする
いつかやり返したいってずっと思ってるんやけど、
次の瞬間に見せる仕事中のキリッとした表情には
つい息が詰まってしまう
この人には敵わない
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作者名：時音 | 作成日時：2021年5月5日 16時
