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「…飲むか」
コトンッとテーブルに置かれたのはビールとサイダー。
ソファに縮こまってる俺と横にドカッと座るすばるくん。
慰めようとしてくれてるんは嬉しいけど、そんな気分ちゃうねん…
頭ん中をぐるぐる回るのは
すばるくんの元カレ…
俺の心臓が潰れそうにも弾けそうにもなるのはすばるくんだけなのに、すばるくんはそうじゃなかった。
俺の知らん部分をあの人が知っとるんが嫌で、俺の知らん時間をあの人と過ごしてたんが嫌で、そんなんどうしようもないって分かってるんやけど、それでも嫌で嫌で仕方ない。
「あいつとはもう何もないで」
淡々と話していくすばるくん
「高校一緒で、大学の4年間付き合っとったけど、それだけや」
俺はこんなに苦しいんに、なんでそんな普通にしてられるん…?
やっぱりすばるくんにとって俺はその程度なん?
あの人んとこに行ってしまうん?
「10年言うてた…」
ギリギリ絞り出した言葉。
あいつまだ… ってつぶやくすばるくんの声も
俺には見えない過去も全部このサイダーの泡みたいに弾けて消えてなくなってしまえばええのに
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作者名:時音 | 作成日時:2021年5月5日 16時