検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:14,845 hit

.4 ページ14

「…飲むか」


コトンッとテーブルに置かれたのはビールとサイダー。


ソファに縮こまってる俺と横にドカッと座るすばるくん。


慰めようとしてくれてるんは嬉しいけど、そんな気分ちゃうねん…


頭ん中をぐるぐる回るのは


すばるくんの元カレ…


俺の心臓が潰れそうにも弾けそうにもなるのはすばるくんだけなのに、すばるくんはそうじゃなかった。


俺の知らん部分をあの人が知っとるんが嫌で、俺の知らん時間をあの人と過ごしてたんが嫌で、そんなんどうしようもないって分かってるんやけど、それでも嫌で嫌で仕方ない。


「あいつとはもう何もないで」


淡々と話していくすばるくん


「高校一緒で、大学の4年間付き合っとったけど、それだけや」


俺はこんなに苦しいんに、なんでそんな普通にしてられるん…?


やっぱりすばるくんにとって俺はその程度なん?


あの人んとこに行ってしまうん?


「10年言うてた…」


ギリギリ絞り出した言葉。


あいつまだ… ってつぶやくすばるくんの声も
俺には見えない過去も全部このサイダーの泡みたいに弾けて消えてなくなってしまえばええのに

.5→←.3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
28人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:時音 | 作成日時:2021年5月5日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。