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その厚い唇に噛みつき、押し倒す。


逃げられないように脚を絡ませ、腕を縛り上げる。


身に纏う物を剥ぎ取り、露れた白が重なり合う。



兄ちゃんの呼ぶ声が聞こえるけど、頭を覆うのは自分の欲だけ。



俺だけでいっぱいにしたくて、必死になって、兄ちゃんの柔らかい肌を撫で回し、吸い付き、噛みつき、俺のものだという印を付ける。



景色も匂いも音も味もすべて俺で埋め尽くす。


どんどん荒くなる互いの息、紅潮する頬、熱を感じて止まらなくなる。



俺が兄ちゃんを求め、兄ちゃんが俺を求める。



兄弟だから…?



そんなん関係ない。




ただ、互いの愛を、互いの欲をぶちまける。

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作者名:時音 | 作成日時:2021年2月15日 22時

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