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28話 ページ29

その影の主は我が正義、村田さんだった。


村田さんは私がいるのを見て目を輝かせ
その輝きは杏寿郎をみとめると同時に急速に失われた。


「……また後で来ます…」





『村田さん!いま!お話しませんか!』

村田さんを引き止める。

杏寿郎も村田さんが来たことに気づいた。


「む!

君が村田…しょうね…殿か!この度はAの命を救ってくれてありがとう!」



少年と言いかけてやめた。
確かに村田さんちょっと幼く見えるもんね。

 
何歳か知らんけど←




杏寿郎のお礼の言葉に村田さんは

「ははは…とんでもない…」

と微妙な笑顔で微妙な音声を発した。





いや、杏寿郎どんだけ怖がられてんの…?


『今日も来てくれてありがとうございます。
腕の傷もまだ痛みますが、昨日よりはだいぶ良いです。』



私がそう言うと、村田さんが弱々しく微笑む。




昨日の屈託のない微笑みは何処へ…?
 
いや、杏寿郎どんだけ怖がられてんの?




『助けて頂いてありがとうございました。お礼に何かできればいいのですが…』


「いやいや!!俺は仕事をしただけで!お礼なんて…」



低姿勢だなあ。



杏寿郎がよくやった、と声をかけている間の村田さんの顔は蒼白だった。


「じゃあ…そろそろ帰ります…」



そう弱々しく呟いた村田さんは部屋の出口に向かって歩き出す。

 

もっといてくれて良いのに、とも思ったが真っ白な村田さんの顔を見ていたらそんな事言えなかった。



出口に向かって歩いていた村田さんの足が出口一歩手前で止まる。


どうしたんだろ。

「っあの…!」





村田さんが振り向いて言う。

『はい?』
 
急な大声に少し驚いた。

 
「あの、さっき言ってたお礼とかとはなんの関係もなくて!」

『はい……?なんでしょう?』


「俺の勝手な願望なんですが!!

俺と、

…一度でいいので出掛けて下さいませんか!」





そう言った村田さんの顔は真っ赤だった。



んー、まあそんくらいなら全然大丈夫だな。

一緒に寝てとかじゃないし。命の恩人だし。


『勿論です。是非。』


 
そう答えると、村田さんは嬉しそうに破顔して

「ありがとうございます!!」


そう言った後、軽い足取りで部屋を出ていった。








さて。

なんか凄いこっち見てる人いるんだけど!


気のせいかな!

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おさかなだいすき(プロフ) - ことりさん» ほんとですか!!嬉しいです!!これからも応援よろしくお願いいたします!君のハートに昇り炎天!!! (2021年1月21日 21時) (レス) id: cdd0af75bb (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - 36話思いっきり爆笑しましたwすっごい好きです!!これからも楽しみにしています! (2021年1月12日 13時) (レス) id: 676d79dd2d (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - はりはりさん» あ!りがとうございます!!! (2020年11月23日 16時) (レス) id: cdd0af75bb (このIDを非表示/違反報告)
はりはり(プロフ) - すっごい好きです!!!主さんストーリー作るの上手っ!!!!! (2020年11月23日 3時) (レス) id: 52ba9d7a4c (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - 麗さん» ありがとうございます!!!修正します!! (2020年11月16日 15時) (レス) id: cdd0af75bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おさかなだいすき | 作成日時:2020年4月5日 10時

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