42話 ページ43
暫く経って、電話に座敷を立った彼女が無言で俯きながら戻ってきた。
…何があったんだろうか
明らかに様子がおかしい。
心配して彼女を見る。
『…大丈夫か？』
そう聞いた。
その言葉に俺を振り返った彼女はなんと、
満面の笑みだった。
「…彼氏できたんだけど！」
『………むう？』
「いやほらさっき話した奴よ」
『…？彼には別に想い人がいると』
「それ私だったらしいww」
そう言って爆笑しながら座敷を転げ回る彼女を呆然と見つめる。
むう！明らかに人格が変わったな！！
つまり二人は両想いだったのか…？
凄く嬉しそうで良かったと思う反面、もの凄く取り残された感が否めない。
仲間意識が消え失せるのを感じた。
「私が今日合コンって友達から聞いてさ、他の男に取られるって思ったんだって。超焦ってた〜」
彼女が彼のLINEの登録名を【彼氏♡】にしながら嬉しそうに話す。
先程の憂鬱な表情が嘘のように、幸せな雰囲気に包まれている。
『よかったな！』
俺のその言葉を聞いて、彼女は俺の方へゆっくり向き直った。
真剣な顔だ。
自分の恋が実ったので俺の相談にも乗ってくれるんだろうか。
「いや、まあいけるって！！うん。」
『…よもや』
殊の外雑な対応を受け戸惑いを隠せない。
その後はずっと彼女の惚気のようなものを延々と聞かされ、俺の好きな人の話は一切しなかった。
「…しょうがない、あんたの話も聞いたげるからLINE交換しよ」
お開きの時間が近づき、思い出したように彼女が言う。
とりあえず彼女と連絡先を交換し、女性たちを最寄りの駅まで送っていった。
「よっしゃ杏寿郎頑張れよ！電話しろよ！」
『うむ！』
彼女は俺に手を振りながら改札の奥へ消えていった。
どうやらいい出会いはなかったらしく、男女で抜けていくのは一組もなかった。
三人の男は背中に哀愁を漂わせながら帰っていった。
「さっきの派手な女子、結本だっけ？」
一緒に帰っている宇髄が俺に聞く。
『ああ！いい人だったな！少し変だが！！』
俺が言うのを聞いて、宇髄がニヤニヤと笑うのを見た。
…彼女を見ていたら、悩みが馬鹿らしく思えてきた。
Aのこと、頑張ってみるのも悪くないかもしれない。
とりあえず家へ帰ってAが分けてくれたミートパイを食べよう。
杏寿郎side終わり！
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菰＃夜桜＃炎柱＃鬼滅オタク - 絶対続き読みます！ (2020年10月7日 16時) (
レス) id: b2420ac3d4 (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - nasiremonさん» びゃあ！！！褒められた！嬉しい！！更新頑張ります！！これからもよろしくお願い致します。 (2020年6月12日 22時) (レス) id: 2ba5de8c1b (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - 面白いですね！！ちょいちょい入ってくるギャグが毎回どツボにはまりますww更新頑張ってください！！ (2020年6月12日 21時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - ねねさん» わー！！ありがとうございます！！嬉しすぎて喉乾いてきました！！頑張ります！ (2020年6月7日 21時) (レス) id: 2ba5de8c1b (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - 炎さん» ありがとうございます…牛丼美味しいですよね！食べたいです。 (2020年6月7日 21時) (レス) id: 2ba5de8c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさかなだいすき | 作成日時：2020年5月17日 20時
