はじめまして煉獄さん！

37話 ページ38

『んー、嘴平くんは放課後職員室に来てください。』


「なんでだよ桃子！子分が指図すんな！」

「コラ伊之助！桃子じゃないだろう！先生に謝れ！」


『はーい静かに。授業終わります、号令ー』





期末考査も無事に終わり、テストが皆のもとへ返却された。


現文はなかなかよくできていました。赤点なし！

まぁ日本人だからね。
どんなにアホでもそれなりにはできるでしょ。





村田さんから聞いた話では、古漢文の赤点者は学年で3人らしい。

まあ欠点は免れそう、とのことだ。




煉獄くんが教える日本史では赤点者は一人も出なかったらしい。


凄いな騎馬戦。

国語でも取り入れようかな。
意味わかんないね。





嘴平くんは課題を提出していないので取り敢えず呼び出し。

そもそも提出ワーク失くしてるっぽいな。



プリント刷るかなー

とか考えながら歩いてると、前から宇髄さんが歩いてきた。



「お、A！ちょうど良かった」

片手を上げて挨拶する。




流石に暑いのか髪を高い位置で一つに纏めて、オーバーサイズのTシャツを着ている。




こうやって見ると凄いイケメンだな…顔の良さに騙される人多そうだ。


そして教師に見えない。





「お前夏休み用事ある？」

立ち止まって私に聞いた。








このキメツ学園では、あと暫くしたら夏休みが始まる。




私は部活の顧問もしてないし、それほど忙しくはならないはず。



まあ彼氏もいないしね…はは。

あれから元彼から何回か連絡来てるけど
大した内容じゃなさそうだから全部無視してんだよな…


勝手に微妙な心境になる。





『特にないです』



そう言うと、宇髄さんは鼻で笑いながら
「可哀想な奴だな」

と言った。






…んー？(殺意)




『…用ないなら退いてもらえます？』

「そんな怒んなって」





…どうしよう、めんどくさい。
宇髄さんって変な人だな。




「教師の間で旅行があるんだよ。
会社でいう社員旅行みたいな？うち私立だからそういうのゆるいし」


宇髄さんが言う。



…旅行…

「今年は海辺の温泉旅館。
海って言っても海水浴場だけどな。来るか？」






うーん…旅行は好きだ。



でもよく知らない人たちと一緒に行きたくない。

上司と行ったら気張りそうだし。
海嫌いだし。




『行かな』

「まあ今年新しく赴任した奴らの歓迎旅行だけどな。お前主役じゃん。

来なかったら感じ悪い奴だと思われるぜ。」



『……行きます。』









脅された。

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