34話 ページ35
『村田さん…
古文の大門2の(4)の模範解答間違ってる…
伝聞じゃない推定の“なり”だよ…』
「あ、すまん…A、現文の大門4の選択肢ないぞ、付け足しとく」
『ごめんありがと…』
これは灼熱地獄、放課後の国語準備室での会話である。
期末考査が一週間後に迫った初夏の日。
唯一ある扇風機は部屋の中の熱い空気をかき混ぜるだけだった。
折角だから、と印刷する前にそれぞれが作った期末考査の問題をお互いに解きあうことにする。
暑いなら職員室ですれば?と思うでしょ?
煉獄くんが隣にいると緊張するんだよ最近。
近くにいるだけで動悸がする。
これを「あら、夏風邪かしら…」とか言えるほど自分の気持ちには鈍感じゃない。
煉獄くんが好き。
前世とかそういうのもうなんも考えないことにした。めんどい。
誰かを好きになるのってさ、分かりやすい大きなキッカケがあるっていうよりは、一緒にいたらいつの間にか好きになってたことの方が多い気がする。
村田さんにもちゃんと言わなきゃな。
誠意を持って接してくれる人に気持ちを隠すのはだめだと思う。
『終わった…!』
「俺も終わった」
大体定期テストは平均点が60点前後になるように作る。
『私、96点』
「は!?高くねえか」
『まあ古漢文も得意だし。村田さんは?』
「…87」
『難しかった?』
「…いや、これでいいと思うぞ。俺そんな現文得意じゃねえし」
こうして一年国語科の期末考査問題は作り上げられたのだ
「明日印刷な。今日は帰ろう、送ってくよ。」
『うん、ありがとう』
二人で汗をかきながら職員室へ戻る。
クーラーガンガンの職員室では、20時近いにも関わらず多くの先生方が自分の席で作業をしていた。
自分の席に荷物を取りに行く。
隣の席では煉獄くんがパソコンを睨んでいた。
結構な恨みこもってそう。
テスト作ってるんだろうな。
「……A!帰るのか!!」
パソコンから目を離した煉獄くんが私の顔をじぃっと見つめる。
見ないで顔面国宝男
『…うん帰るよ』
「送っていこう!」
煉獄くんがパソコンをパタンと閉じる。
うわあ優しくしないで!!!
『……村田さんがいるから大丈夫!いい夢見ろよ!』
「む!」
思わずそう言い逃げしてしまった。
心臓バクバクする…
なんでこんなに緊張するんだ…?
今まで何人か彼氏はいたけどこんなの初めてだよ…!!
夏風邪かしら…!
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菰#夜桜#炎柱#鬼滅オタク - 絶対続き読みます! (2020年10月7日 16時) (レス) id: b2420ac3d4 (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - nasiremonさん» びゃあ!!!褒められた!嬉しい!!更新頑張ります!!これからもよろしくお願い致します。 (2020年6月12日 22時) (レス) id: 2ba5de8c1b (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - 面白いですね!!ちょいちょい入ってくるギャグが毎回どツボにはまりますww更新頑張ってください!! (2020年6月12日 21時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - ねねさん» わー!!ありがとうございます!!嬉しすぎて喉乾いてきました!!頑張ります! (2020年6月7日 21時) (レス) id: 2ba5de8c1b (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - 炎さん» ありがとうございます…牛丼美味しいですよね!食べたいです。 (2020年6月7日 21時) (レス) id: 2ba5de8c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさかなだいすき | 作成日時:2020年5月17日 20時