はじめまして煉獄さん！

21話 ページ22

宇髄さんに着替えてこいと言われて一階の倉庫へ向かった。







両手で思い切り戸を引くと、ギギギと音を立ててゆっくりと開いた。

立て付け悪すぎ。




更衣室は今生徒が使っているらしい。


でもって私は一階の人が入らないジメジメした倉庫で着替えさせられる。

いわく、ここには誰も来ないらしい。




あの後宇髄さんの背中に【レジにて半額】のシールを気づかれないようにこっそり貼り付けてきた。

あの派手好き筋肉ダルマに私ができる復讐はあれくらいしかない。





黴臭いな…長い間掃除してないんだろう。

何に使うのか分からないダンボールでできた犬や、テントの予備、パイプ椅子などがあちこちに積まれていた。







荷物を置き、服を脱ぐ。

冷たい空気が肌に直接触れた。




ふー…やっぱりちょっと寒いな。上着持ってきて正解。

下はジャージ履こう、まあ文句言われても宇髄さんは半額だから…





上下とも下着姿で衣装が入ったカバンを漁る。

あ、煉獄くんに返すTシャツ鞄に入れたまんまだ。

職員室においてくれば良かったな。




洗ったけど変な匂いとかしないよね

カバンの中の紙袋から煉獄くんのTシャツを取り
出す。

生乾きの匂いとかしたら嫌だもん。




Tシャツを両手で持って鼻に近づける。

…ん、私の家の柔軟剤の香りしかしない。



変な匂いはしない。だいじょ

「…パイプ椅子二脚か、」









は…




誰か来た！
廊下から男の人の声で独り言が聞こえた。




…え？

誰も来ないって言ってたあの筋肉ダルマ許さん。








やばいな…服着る暇はなさそう。



服着る最中に入ってこられたら一番嫌だ。




…とりあえず物陰に隠れよ。

あの会議用の机の後ろに…よいしょ、と






ガタァンッ！！



あっ、やべ音立てちゃった。

この音にビビってどっか行ってくれないかな。





私今、下着姿だからね！見られたくないんだよ！！


そして何故か煉獄くんのTシャツを手に握ったままだからね！！

これ着ればいいのか！？え！？(混沌)









戸に人影が映る。

お願いどっか行って。お化け怖い系の人でお願い…！！

「誰もいない部屋から物音とかマジ無理〜」系の人でお願い！！





パイプ椅子とか知らんよ！取りに来ないでよこんな所に！(逆ギレ)

二脚くらい空気イスでいいじゃん…








「む！！誰かいるのか！！」









いやー絶望だな。
「お化け？かかってこい！！」系の人じゃん…


煉獄くん！！

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