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19話 ページ20

杏寿郎side



部屋に戻り、ベッドに体を投げ出す。
体重でスプリングが軋む音がした。

Aの驚いて目を見開いた表情が脳裏に浮かんだ。






ただ一人、俺の忘れてしまった女性。





涼し気な目元や、白い肌、美しい黒髪に既視感を覚えた。

綺麗な女性だ、とただ思った







越してきて最初の夜、彼女はよく知りもしない俺に料理を振る舞ってくれた。

料理を教えてくれる彼女の横顔は、綺麗で思わず見とれていた。

いつも聡明で、凛としていた。



どこか物憂げな表情で外を眺める彼女に、わけもなく惹かれた。


でも少し抜けていて、からかうと顔を真っ赤にして怒る。

なんて可愛いんだろう。




機械が苦手なんだろうか、「何もしてないのにパソコンが壊れた」と助けを求める姿は、どんなに忙しくても放っておけなかった。


煉獄くん、と呼ぶ彼女の透き通る声が愛しかった。





「A先生ってどんな方ですか?綺麗ですよね」

と大して話した事もないような同僚から聞かれる。

お前なんかはAの事を知らなくてもいい、と汚い黒い感情を抱いた。





だが、俺よりも彼女を知っている人間なんて周りに沢山いる。


村田とは仲がいいようだった。二人はいつも笑い合っていた。







嫌だ。





そう思っている自分に気がついた。







俺は彼女が好きなのか?


いや、ただ前世のことが気になっているだけだろう。

きっと意識のどこかで覚えている彼女に懐かしさを感じているだけだろう。





しかし俺が彼女に愛しさを抱くのは、いつも今の彼女の行動にだった。

それなのに前世の事が理由でAに惹かれているなんて言い訳するのは愚の骨頂だ。





彼女に会うたびに大きくなるこの想いに気づきたくなかった。







Aを好きになっても辛いだけだろう。




前世から彼女を想っている村田がいる。

一緒にいる時間がまるで俺とは違う。




叶わないと知っておきながら想うなんて、馬鹿らしい。


俺だけ彼女を忘れてしまっているなどあんまりだな。




前世を覚えてさえいれば、彼女に
「その可愛い姿を他の男に見られたくない」

そう言う事ができたのかもしれない。

今の俺ではとても言えない。




俺のTシャツから伸びたAの白い脚は俺の劣情を煽るばかりだった。









ああ、本当に、どうしようもなく嫌だ。



叶わないと知りながら君の事をこんなにも想ってしまう俺も

明日の君の可愛らしい姿を見るのも。






杏寿郎side終わり!

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菰#夜桜#炎柱#鬼滅オタク - 絶対続き読みます! (2020年10月7日 16時) (レス) id: b2420ac3d4 (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - nasiremonさん» びゃあ!!!褒められた!嬉しい!!更新頑張ります!!これからもよろしくお願い致します。 (2020年6月12日 22時) (レス) id: 2ba5de8c1b (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - 面白いですね!!ちょいちょい入ってくるギャグが毎回どツボにはまりますww更新頑張ってください!! (2020年6月12日 21時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - ねねさん» わー!!ありがとうございます!!嬉しすぎて喉乾いてきました!!頑張ります! (2020年6月7日 21時) (レス) id: 2ba5de8c1b (このIDを非表示/違反報告)
おさかなだいすき(プロフ) - 炎さん» ありがとうございます…牛丼美味しいですよね!食べたいです。 (2020年6月7日 21時) (レス) id: 2ba5de8c1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おさかなだいすき | 作成日時:2020年5月17日 20時

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