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24話 ページ25

私の大声を聞きつけたのか、
奥からゆるく着流しを着て前髪をおろした杏寿郎が出てきた。



前髪をおろすために水で濡らしたのか、毛先から水がぽたぽた落ちている。








…なんだそれ。


待ってよ……だめ。だめだめだめだめ。絶対だめ。





水が滴り落ち、額にかかった前髪を鬱陶しそうにかきあげる杏寿郎は直視できないほど色っぽい。


ゆるい着流しの胸元からは、滴り落ちた水で濡れた厚い胸板が覗いている。







だめ!……こんな姿見たら全人類が尊さで滅ぶ!


私が遊女さんだったら間違いなく好きになっちゃうもん!!







「おお!いいじゃねえか煉獄!

なかなかにいい男だぜ!まあ俺様には及ばんがな!俺の指導の賜物だ!

派手派手だ!」




宇髄さんが満足そうに言った。









…………あんたの仕業か‼



すると杏寿郎が

「そうか!それはよかった!
前髪をおろすのに少々時間がかかったが、これも新鮮でなかなか面白いな!!

どう思う!A!」


と言って少し期待を込めたような目で私を見た。






…………そんな目されたって、ねえ!!!

 


『全然似合ってません!今すぐもとの杏寿郎に戻って!

もう!ぼた餅あげないから!
代わり私が遊女に扮して囮になるもん!!』




そう私が怒鳴ると、杏寿郎は豆鉄砲を食らった鳩のような顔をしてその場に固まった。



杏寿郎の表情が残念そうな顔を経由し、焦り顔になる。

この間わずか1秒!!!







「…今なんと言ったんだ!A」
 
『え…ぼた餅あげないって』



前髪から水が滴り頬を伝う、いつもより幾分か色気の強い杏寿郎にじっと見つめられ、少しどぎまぎしながら答えた。




「違う!その後だ!」


『…?だから杏寿郎の代わりに遊女として囮になるって。

戦わない囮くらいならできるよ…?
宇髄さんも言ってたし。』





私の言葉を聞いて杏寿郎は大きな大きな溜息をついた。

宇髄さんは嬉しそうにニヤニヤしている。









「…A。君は遊郭がどのようなところか全く分かっていない。

ましてや遊女としてなんて……そんなことは絶対にできない!」





と大声で言われた。
その言葉に私は少々むかつきましたね。ええ。






『…杏寿郎。自分のこと棚に上げてんじゃないわよ、ちょっとついて来て。』

うわ。私こんな低い声出せたんだ。








その聞き慣れない私の声に、怒気を感じ取ったのか杏寿郎は大人しく私の後ろをついてきた。

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抹茶タピオカ2号(プロフ) - ウ〜〜〜〜〜!?!?////ヤバイ吐血&鼻血が、止まらん!!((変態とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月4日 20時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 千寿郎お母様にそっくりだー( ゚□゚)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - うわー!杏寿郎と夢主ちゃんが、大変なことになってる!\(゜ロ\)(/ロ゜)/とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月3日 21時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
roro(プロフ) - 始めまして!めちゃめちゃ面白くて何回も読み返しました!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月3日 2時) (レス) id: 66099f3f1d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月3日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おさかなだいすき | 作成日時:2020年3月24日 15時

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