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10話 ページ11

『えっ、いいよいいよお隣だし。わざわざ外出なくても。』


杏寿郎の家から帰ろうとすると、
杏寿郎も一緒に外に出てきてくれた。


「いや!隣と言ってもそんなに近くもないだろう!何があるかわからん!

ぜひ送りたい!」





杏寿郎が言う。

えーでもなー、夕方前だし全然辺り暗くないよ?



『大丈夫だよ!
ほら、鬼って日が沈まないと出てこられないんでしょう?だからね、大丈夫だよ。多分』


そう言って杏寿郎を見ると、怒りと悲しみが混ざった顔(どんな顔だよ)でこちらを見ていた。



「A。君の敵は鬼だけではないぞ。いい加減自分が女だという自覚を持ってくれ。」



『……ごめん。』

そう言うと杏寿郎はふっと優しく微笑んで、こう続けた。




「………というのは、実は建前なんだ。
勿論、今俺が言ったことは大事なことだが!



俺は、少しでも君と同じ時間を共有したい。そこまで拒否されると悲しくなる。

………それともAは俺とは一緒にいたくないのか…?」



杏寿郎が私の顔を覗き込んだ。








一瞬息ができなかった。

夕日を背景に立った杏寿郎があまりにきれいだったから。


杏寿郎の柔らかい髪が夕日に透けてはちみつみたいに見えた。


燃えるような瞳が私を真剣に見つめている。






…私と……一緒にいたいから?
…期待するなっていうほうが無茶だよね。


『……私も、杏寿郎と一緒にいたい。
 送ってくれますか』


 
その言葉を聞いた杏寿郎はにっこりと笑った。









「勿論だ!!」




家までの道のりは短すぎて(お隣だし)あまり長い時間ではなかったけど、

間違いなく私の人生において大事な時間だった。




「じゃあ!元気でA‼」

『杏寿郎こそ元気で!送ってくれてありがとう!』

そう言い合い、私は家の中に入った。






「A!!!弘さんが来週の土曜日に浅草で会いましょうだって!

一回でいいから会ってくれってぼろぼろ泣いてたから、気の毒で了承しちゃったよ!

まあ顔もそんなに悪くないし一回くらい会ってやってよ!」


 
お母さんが台所から叫んだ。








うっわ……最悪だ…(酷)

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抹茶タピオカ2号(プロフ) - ウ〜〜〜〜〜!?!?////ヤバイ吐血&鼻血が、止まらん!!((変態とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月4日 20時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 千寿郎お母様にそっくりだー( ゚□゚)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - うわー!杏寿郎と夢主ちゃんが、大変なことになってる!\(゜ロ\)(/ロ゜)/とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月3日 21時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
roro(プロフ) - 始めまして!めちゃめちゃ面白くて何回も読み返しました!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月3日 2時) (レス) id: 66099f3f1d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月3日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おさかなだいすき | 作成日時:2020年3月24日 15時

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