煉獄さんはむつかしい

31話 ページ32

「おい！お前らいつまで待たせる気だよ！」




　
宇髄さんのでかい声が玄関から聞こえてきたので、私達は玄関へ向かった。





『宇髄さん、お待たせしました。』
　
「話し合いの結果、俺がひょっとこの面を付けて、遊郭に潜入することになった！！」






そう杏寿郎が自信満々に言う。



宇髄さんはその言葉を聞き、呆然とした顔で


　
「なんだお前。脳味噌爆発してんのか」
　
と真面目な声色で言った。




「脳味噌は爆発していない！」



　
「はあァァァあああ！！？舐めてんのか！

どこに面付けて遊郭うろちょろするやつがいるんだよ！

お前ら長い間真面目にそんなこと話し合ってたのかよ！

脳味噌爆発してんのか!!!」
　




「脳味噌は爆発していない！」


　
「てめえは何さっきから真面目に答えてんだ馬鹿野郎！」



うわぁ…超怒ってる。
3人組も引いてる……どっちにか知らんけど…






『でも宇髄さん。

私、杏寿郎がこの格好で遊郭に行くのは絶対に許せないですよ！』



　
着流しを着た杏寿郎を指差しながら言う。





「こいつらの女装見てから言えよ！ひでえんだぞ⁉


売れなくて潜入出ませんでしたー！ってなったらどうすんだよ！

煉獄が行ってもひょっとこ男は絶対に怪しまれるわ！」






たんぽぽくんが「キィイイイイー!!!」と言っているのを竈門くんがなだめる。




『…失礼ですが！この子達を女装させたのは宇髄さんですか？』

　
「ああ、そうだ。なんだよ」



『恐らくですが宇髄さんに化粧の才能がないのだと思われます。

だってこの子達、全然綺麗な顔してるじゃないですか！私に任せてください！』




「Aさん……………好き」
………たんぽぽくん君、惚れっぽいんだね。



「あぁ…？聞いたぞ？そこまで言うなら見せてみろ！お前の化粧の腕をよ！」




…1時間後。



『…どうですか？ご満足いただけました？』

腕によりをかけ、私は3人の女装を手伝った。



みんな普通に綺麗な顔してたよ。
　
とりわけ嘴平くん、猪とったらすごかった。もうあれは化粧せんでええやつや……




「…………お前もしかして天才か………？」

『まあそうかも知れないですね』



お気に召したようでよかったわ。



たんぽぽくんがさっきから鏡見て「これがアタイ…？」って言ってる。そう、それが貴方よ！









「これだったら煉獄の女装もいけるかもな…。」









「…宇髄？」


その時の杏寿郎は絶望を通り越してましたね。ええ。

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