4.顔を知らない ページ5
マチと向かい合っている。
先ほどとは違う、あまりに近い爆発音に、ふと振り返る。
逃げ惑う観客が私の両脇を駆け抜けていく。
既に闘技場は混戦状態。
目と鼻の先は黒焦げになった観客、そこにはバンジーガムで審判の頭部を振り回すヒソカ。
ヒソカは更に上の方に視線を送る。
そしてその先はクロロがいた。
「なんて速さ...」
するとクロロはこちらに駆けてくる。
私は１枚1mもある鉄扇を２枚具現化する。
「やめろA!!」
その私に気がついたクロロが名前を呼ぶ。
クロロは私の横、肩が当たりそうな距離を駆け抜けていった。
クロロを追いかけ、ヒソカがこちらに駆けてくる。
ヒソカとは全く目が合わない。まっすぐに獲物を見る。
鉄扇を広げてから後ろに飛び退く。
逃げきれなかった観客達が次々にヒソカの操る頭部になぶられる。
しかし逃げる観客の中には、ヒソカに向かっていく観客もいて、その数は10、20じゃない。
「おかしい...さっきなんかとは比べ物にならない量......」
ふと近くにシャルを見つける。
気がついたらマチの姿は見えなくなっていた。
「シャル...？」
団長から目を逸らすことなく、携帯を持ち、操作をしている。
ブラックボイス!!!!!!!!
遠くの客席で戦うヒソカとクロロ。
「ヒソカの邪魔はできない......」
私は鉄扇を持つ手をだらんと、おろした。
悔しい......悔しい悔しい悔しい...!!!!!!!!
私の事ではないのに、身体が熱くなってきて、目に涙が溜まっているのを感じる。
戦うヒソカを遠く見る。
でも、どんどん涙で視界が歪んでいく。
悔しい......
どうして戦いたいの？
クロロもどうして受けるの？
ずっと逃げたらいいじゃない。
どうして戦いたいの？
命の駆け引きができる程の相手だから？
スリルがあなたを興奮させるの？
どうして......
どうして......
瓦礫と化したその足元にポタポタと涙が落ちてシミをつくる。
悔しい......
鉄扇を強く握りなおす。
袖で涙を拭った。
許せないよ、やっぱり。
私がシャルを見たのと同時にシャルはこちらをみた。
「A...？」
悔しい...!!
私は次の瞬間には、シャルに向かって駆け出し、
地面を強く蹴って飛び、鉄扇を振り上げていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かぐや(プロフ) - 弥一さん» 弥一さんありがとうございます！ヒソカって言葉が少ないイメージで。3つ言ったら7つわかってね？みたいな所がある気がしてまして笑。言葉足らずのヒソカに振り回されるヒロイン…楽しかったですよーお!!よろしければ続編も覗いてくださいませ。共に暗黒大陸行きましょう (2016年7月8日 19時) (
レス) id: 7761bad027 (このIDを非表示/違反報告)
弥一(プロフ) - どぅあーー(泣)くっそ先に行っとけよこの不器用さんめ！！ (2016年7月8日 17時) (レス) id: bb50ae3e3c (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - 暗黒琥珀さん» ありがとうございますー！！コメントめっちゃ嬉しいです!!!!！何故かここ3日くらいで、お気に入りも突然多くなったので、先を書こうかと思いますっ！一緒に暗黒大陸行きましょう〜 (2016年7月2日 21時) (レス) id: 7761bad027 (このIDを非表示/違反報告)
暗黒琥珀(プロフ) - とっても面白いです!!これからどうなるのか…(笑)楽しみにしてます♪頑張ってください! (2016年7月2日 20時) (レス) id: b7f4e905a8 (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございますー！がんばります！ (2016年6月29日 2時) (レス) id: 7761bad027 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かぐや | 作成日時：2016年6月27日 16時
