【クラピカ】『無関心』だけがない【クロロ】【H×H】

32.『無関心』だけがない ページ35

ところが、また声が聞こえてくる。
「クラピカぁ〜...」
ついにクラピカは資料をテーブルに置き振り返る。

「A！少しは酒に気をつけろ」
わっ...とAが正面からクラピカの首に腕を回し抱きつく。
「ちょ...お、おい......」
ふわりとAからは髪のシャンプーのにおいがする。
ぎゅっとクラピカの首にしがみついて、彼の耳元でAの声がする。

「ねぇ、クラピカ......」

「なんだ」
クラピカはそっと、Aの頭と背中に手を置いた。
綺麗な髪を撫でる。



「クラピカ......いつも傍にいてくれて、ありがとう」


「あぁ...」
どうしてか、Aのその言葉にクラピカはむなしくなった。

ぎゅっと腕に力をこめたA。

「クラピカがいなくなっちゃわないように。

私が、緋の目を世界で1番...取り引きし続けるの...」


「A......」

クラピカが名前を呼ぶと、
Aはゆっくりクラピカの首から離れようとする。
が、クラピカはAの頭と背中に手を置いたまま。
離れようとするAを抑えこむようだ。

「......クラ...ピカ」
「A...私も罪を背負おう...

Aが、私を必要としてくれる限り。
約束しよう」



Aはクラピカの腕の中から顔をあげ、クラピカを見上げた。

「ありがとう。


......嬉しい。
でもね、私クラピカに応えられないよ。



怖いの、失うのが」


ふふっと笑うA。

クラピカは今までAが反応すらしてくれなかった理由を
知る。

「大切なものは、持ちたくないの。

夢と現実は違うし。クラピカの期待に応えられなかった時が怖い」


クラピカの胸に手を置いて、ゆっくり離れる。

「A...お前...」

「クラピカは私が守るよ。
クラピカの大切なものも。

だから、帰るところは捨てないでって言ったでしょ？

でも、私が大切なものを作るのは、だめなの」


ソファに膝をかかえて座った。

「.....守りたいものが出来るとね、弱くなるから。
例えば...
クラピカが私の恋人で、もし人質に取られたら.....
私はきっと持つもの全てを捨ててしまうから.....」



「クロロは.....？
奴は例外だというのか？」

また、ここで...
クロロの特別さに、クラピカは苛立ちを覚える。

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