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25.『無関心』だけがない ページ28

突然、クラピカが笑いをやめ、まっすぐにAをみる。
「A」

「どうしたの?クラピカ?」


それでもなにも答えないクラピカに、Aは「え?」とクラピカの視線に聞き返す。


「やだ...クラピカ?」
まっすぐ見つめられたまま、答えないクラピカ。
Aは恥ずかしくなりそっと視線をそらす。


すると、なにも答えないクラピカから手が伸びてきた。
「クラピカ?」

その手はゆっくりとAの髪を撫でる。

「え?なぁに?」

そのまま、そっとAの頬に触れる。
あまりに気持ちよくて、Aはそのクラピカの手に自分の手を重ねた。

そしてAは目を瞑る。

「気持ちいい...」


その穏やかな表情に、クラピカも微笑む。


Aに包まれた手をそのまま、クラピカは空いた手を彼女の肩に置く。

Aは自分の肩に心地よい重さを感じて、ゆっくり瞼を持ち上げる。
それと同時だった。
「!?」

クラピカのとても長いまつげだけが視界に入り、
暖かく柔らかい感触を唇に感じる。

Aの思考はそこでショートを決め込んだ。

ほんの一瞬の口付けに、ショートしたままのAの前では、
既にクラピカは申し訳なさそうに頬をポリポリとかき、目を泳がせていた。
「すまない...」


「え?」

いつもはとんでもない速さで回転する彼女の脳は、
いつもと違う、想定外の急展開に全く理解が追いつかない。
唇に手を置いてポカンとする。

クラピカは恥ずかしさに耐えきれず、
困惑するAを置いて言葉をつなげた。


「えっと...どこから説明したらいいだろう...」


「説明...?」
Aは唇から手をはなし、その手を見てからクラピカをみる。


「もし嫌な気持ちにさせてしまったのなら...謝る...」


Aは首をかしげた。
Aの様子に更に焦るクラピカ

「いや!そうじゃないな...

突然、その......キスした事にすまない......」



クラピカはソファからいきなり立ち上がる。

「す、すまないA!!私は寝る!!
おやすみ!!」



そう言ってAを残して部屋を出ていった。



「え?」
Aは唇にもう一度手を置いて、そのまま、ソファに横になった。


クラピカがいなくなり、だんだん思考が追いつく。
天井1点をみる。
そして、冷静にキスを思い出し、胸がドキドキとするのを感じた。

「うそ...」

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アヤミ(プロフ) - かぐやさん» 嬉しいとか、逆に嬉しい!!!これからも面白い物語を楽しみに待ってます!! (2016年8月11日 8時) (レス) id: dcc37d5cfe (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - アヤミさん» いやはーや、詰んでたから本当に嬉しいです!!!!!!!!やっぱりクラピカはイケメンであってほしい!!!! (2016年8月11日 5時) (レス) id: 7761bad027 (このIDを非表示/違反報告)
アヤミ(プロフ) - 今回の更新最高でしたぁああ!!!!!かぐや様は、やっぱり神ですね!!!…またTwitterの方でもよろしくお願いしますね!(`・ω・´)(@ayami_hosiremo←こいつです…笑) (2016年8月10日 23時) (レス) id: dcc37d5cfe (このIDを非表示/違反報告)
赤鎖(プロフ) - かぐやさん» ありがとうございます!!断られたらどうしようかと…! これから、よろしくお願いします!! (2016年7月19日 20時) (レス) id: 6942f71cd3 (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - 赤鎖さん» 友達申請意味がわかりました!!!!申請送らせていただきました! (2016年7月19日 16時) (レス) id: 7761bad027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田家具店 | 作成日時:2016年6月24日 4時

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