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20.『無関心』だけがない ページ23

クラピカ視点...


出航した船を遠くに見る。
すっかり仕事を終えた部下達は解散していた。

港は、元からなにもなかったかのような顔をして、穏やかな波音を奏でている。

誰もいない。
2人きりだ。


「一緒だったんだね...
嬉しいよクラピカ」


「え?」
Aはボラードに腰掛け、穏やかな顔で、
立つ私に話しかけた。

同じ?
その言葉に聞き返す。


「私はクルタ族とのクォーターだから」

昨日のクロロの話からしたら、当たり前の話だ。

「あぁ...そう...か」

「ごめんね、クラピカ...
もう少しだから。
私のせいで失った人達の瞳...」

金で解決できない事はないというのは、
今、本当にそうなのかもしれないと、レオリオの言葉を私は思い出した。

そんなに...綺麗な世の中じゃないことなんか、私は知っていたはずなのに。


「お父さんのせいで...ごめんね。

でも、私は生きて行くことで、守れなかった自分を責め続けるよ」


Aの言葉が、どこかグサグサと刺さるのを感じた。


「私、ずるいのかな?」


いや違う、ずるくない。
「私もそうだ...。

...助かりたいだけなんだ、
自分が...」

もし、Aが自分をズルイと責め続けるのなら、俺も自分を責め続けよう...


「さて、帰ろっかな♪」
そう言ってAはボラードから立ち上がった。

「クラピカが緋の目を集めたら......もう、さよならかな?」



「そうだな......ずっと、Aを守りたかったよ」

いや、嘘だ。
安心している自分がいることに気づいていた。


Aは闇で生きていて、クロロが好きだという。
私は緋の目を集めるためにここに来たんだ。


でも......
クロロはAに、父親のギャラ分だと、上乗せした大金を要求した。
幻影旅団がクルタ族を襲ったと。
それを分かっていても、クロロが好きだという。

幻影旅団を流星街で脅したのも自分で、それに対して負い目を感じているだろう...

そんな綺麗な彼女を.....




どうしても、幻影旅団の団長に譲るなんてできない......



やっと気づいたんだ。



私は彼女に、


最初から、


出会った時から、




恋をしていたのだと。



クロロを無意識に妬んでいたのだ。

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アヤミ(プロフ) - かぐやさん» 嬉しいとか、逆に嬉しい!!!これからも面白い物語を楽しみに待ってます!! (2016年8月11日 8時) (レス) id: dcc37d5cfe (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - アヤミさん» いやはーや、詰んでたから本当に嬉しいです!!!!!!!!やっぱりクラピカはイケメンであってほしい!!!! (2016年8月11日 5時) (レス) id: 7761bad027 (このIDを非表示/違反報告)
アヤミ(プロフ) - 今回の更新最高でしたぁああ!!!!!かぐや様は、やっぱり神ですね!!!…またTwitterの方でもよろしくお願いしますね!(`・ω・´)(@ayami_hosiremo←こいつです…笑) (2016年8月10日 23時) (レス) id: dcc37d5cfe (このIDを非表示/違反報告)
赤鎖(プロフ) - かぐやさん» ありがとうございます!!断られたらどうしようかと…! これから、よろしくお願いします!! (2016年7月19日 20時) (レス) id: 6942f71cd3 (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - 赤鎖さん» 友達申請意味がわかりました!!!!申請送らせていただきました! (2016年7月19日 16時) (レス) id: 7761bad027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田家具店 | 作成日時:2016年6月24日 4時

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