��専用お医者さん ページ9
｢おら｣
マグカップを差し出すと、
背中を向けていた身体をおこした。
現金な奴だな……ほんとに。
へらっといつもの笑顔を向けてからマグカップを両手で受け取る。
｢ありがとう〜フィンクス｣
こうして、結局知ることなく終わることばかりだ。
あそこまで話して来る事は珍しいがな。
俺がAに踏み込まねぇから、
きっとコイツはここに来るんだろう。
俺の気持ちなんかこれっぽっちも伝わってねぇんだろうな。
知らせようとすれば、
俺が知ろうとすれば、
家のない猫のように、コイツはここには寄り付かなくなるだろう。
別に、家があんのかもな……
なんて思ったら突然むなしくなった。
俺はお前の専用医者じゃねーんだぞ。
｢なぁ、A｣
そう言うと、グイッと俺の顔の前にマグカップを突き出す。
｢お、おぉ｣
受け取ると、また胸に飛び込んできた。
え？
さっきと違うAの様子。
勢いよく抱きつかれ、一瞬俺はフラっとした。
｢んだよ……甘えてもなんもやんねーぞ｣
｢フィンクス、生きてて良かったァ〜｣
さっぱりわかんねぇが、
きっとコイツ、なんかあったんだろうな……
俺に言わないだけで。
これからも、きっと変わんねぇこの関係。
進めたい……それでも進む事はない。
可愛いAが俺を頼るだけ、良しとすっか。
受け取ったマグとAからは甘いココアの香りがした。
おしまい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ネフェルティティ(プロフ) - はぁぁぁ…… 神だわ…… フィンクスめちゃくちゃ好きだわ！ 最高でした！ (2018年1月12日 22時) (
レス) id: c0238edf6e (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 初めまして！数少ないフィンクス作品…！すっごい私好みでした！ (2017年6月22日 1時) (レス) id: e25e9ac92a (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - 三津さん» どうも、ありがとうごじゃぁーます！そしてはやい!!!!!!!!笑 (2016年9月1日 23時) (レス) id: 94caa5fef1 (このIDを非表示/違反報告)
三津(プロフ) - ありがとう、本当にありがとう；；；；幸せで溢れてる〜〜；；；；大好きや；；；； (2016年9月1日 23時) (レス) id: 005ed06dbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かぐや | 作成日時：2016年9月1日 23時
