M!LKで桃太郎其の弐 (ページ44)

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太智「あ、あれは……！まさか……あれが岩融の本当の姿……？」

長さは裕に佐野の身長の倍はあろうかという長さになり、その姿は勇猛に翼を広げる雉(きじ)のごとし猛々(たけだけ)しさ。
刀よりも範囲に優れ、槍よりも力の勝る、岩融は巨大な薙刀(なぎなた)へと姿を変えたのでした。

佐野「岩融は本来斬るための武器ではない。こうして、すべてを薙ぎ払うものだ！！」

佐野の振るった薙刀・岩融は、そのたったひと振りで鬼の体を包む棘や表皮を吹き飛ばしました。
それでは飽き足らず、その場の地面も木々も、果ては洞穴さえも吹き飛ばし、鬼よりも激しいその一撃が、あたりを壊滅させたのでした。

舜太「な、なんてやつだ……」

鬼は地に伏し、首周りを追っていた骨のような突起も崩れ、再生すら追いついてはおりません。

佐野「おいそこのお前、立てるか？」

すると、佐野は肩を貫かれて地に付していた舜太に問いました。

舜太「な、何だよ急に」

佐野「立てるのかと聞いたんだ」

舜太「た、立てるさ！！だったらどうしたんだよ！！」

佐野「お前の刀は鬼を斬れるんだろ？ならば、後はお前に譲ってやる」

そういうと、佐野は舜太に背を向けたのです。
今ならば、あの鬼の首をとることができます。

舜太「ふん！なら遠慮なく！！」

そして、舜太の振り下ろした刀は、見事鬼の首を討ち取ったのでした。

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