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舜太「もう片方も斬り落としてやる!!」
さらに舜太は刀を振り上げました。
しかし、その足元に、矢が突き刺さったのです。
舜太「あっぶな!!何すんだよ!!」
太智「ごめん!!でもおいらの話を聞いてよ!!」
舜太「何だよ!!」
太智「この鬼はいつもの鬼とは違う!!斬れば斬るほど硬く、強くなってる!!むやみに斬れば、大将の刀では斬れなくなっちゃうよ!!」
舜太「はあ?!そんなわけ……」
けれど、確かにさっきは斬れた腕が、今は斬ることができませんでした。
太智の言っていることは、嘘やはったりではなさそうです。
舜太「で、でも、じゃあどうやってこいつの首を切り落とせばいいんだよ!!」
太智「仁人先生の毒なら、鬼の再生を遅らせることができるはずだ!!その間に首を刎ねるしかない!!」
舜太「ちっ!はやく戻ってこいよな!!」
孤児たちを安全なところへ避難させに行った仁人は今も戻ってきません。
それまで、この鬼を斬るのは待つしかないのです。
しかし、鬼のほうはそんなの待ってはくれません。
大きな腕を振り上げ、襲いかかってくるのですから。
太智「動きは遅いけど、範囲が広すぎる……!」
大きな腕は、木々など簡単にへし折り、地面をえぐっていきます。
まるで佐野の持つ岩融のような攻撃に、舜太も太智も避けるので手いっぱいでした。
更に鬼の攻撃はだんだんと激しくなる一方で、あたりの地形がそろそろ変わってきておりました。
しかしその時です。
彼らの背後から、仁人が戻ってまいりました。
舜太「やっと戻ってきたか!!」
太智「子供たちは?!」
仁人「全員無事です!それより、どういう状況です?!」
舜太「あんたの毒が必要だ!!早くしてくれ!!」
仁人「わかりました!これをお使いになってください!!」
手渡された竹筒には、仁人特製の猛毒が入っております。
それに刀の刃を浸けて、毒の刃が出来上がりました。
舜太「よし、これで終わりだ!!」
舜太の振るった毒の刃は、見事に鬼のもう片方の足を斬り裂き、鬼は体勢を崩しました。
舜太「やったか……?!」
勝機を見出したと思ったその瞬間、鬼の足はすぐさま再生し、しかも厄介なことに棘が飛び出して、まるで矢のように四方八方に打ち出されて行きました。
舜太「ま、まずい……!!」
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作者名:milkssss | 作成日時:2020年7月13日 21時