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太智「ぐっ……?!こ、この威力、本物の岩融……!!」
舜太「な、何なんだ岩融って!!それにどういうことだよ、このでたらめな威力は!!」
人が振るったとは思えぬほどの斬撃に、さしもの舜太も焦りが隠せません。
太智「岩融……。それは、かつて
それは一振りで竜巻をおこし、その一撃は地を揺るがし、その一太刀は岩を斬るとも言われる……。
なんでそれがこんなところにあるのか知らないけど……まさか実在してたなんて……!」
佐野「肩慣らしの一撃でその様とは、なんて肩すかしだ。威勢がいいのは口だけだったようだな」
舜太「な、何だと?!この野郎!!ぶっ殺してやる!!」
仁人「口車に乗せられてはなりませぬ!!!あいつの思うつぼです!!」
舜太「うるさい!!」
もはや仁人の声など、舜太には聞こえておりません。
今はただ、目の前にいるこの男を斬ることしか頭にございません。
けれども、当の佐野は、余裕の笑みを浮かべておりました。
佐野「さあ来い。その刀、必ず俺が奪い取ってやる」
舜太「ふざけんな!!」
まるで鬼の首を獲るときと同様、舜太はただ佐野の首を見据えて一直線。
後ろで止める仁人の声も、完全に蚊帳の外。
振り下ろされた舜太の刀は、見事佐野の岩融を捉えました。
しかし。
佐野「無駄だ。そんな太刀筋、俺には避けるまでもない」
舜太「な、何だと……?!」
次の瞬間、佐野は背に担いだ長棒を左手に取ると、それを舜太の腹に打ち付けて吹き飛ばしたのです。
舜太「が……はっ……?!」
激しく地面に叩きつけられる舜太の体はそのまま毬のように地面を跳ねあがり、再び激しく地面に落下して、彼はぐったりと気絶しておりました。
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作者名:milkssss | 作成日時:2020年7月13日 21時