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舜太「お、おい！！何するんだよ！！返せ！！」
仁人「……」
しかし仁人は聞く耳持たず、刀を鞘から抜くと、その切先を佐野の首元に付きつけたのです。
仁人「勇斗……。私はお前を恨んだ……。殺したいとさえ思うほど、憎しみを募らせた……。
けれど、私を拾ってくれた玄白殿はこうおっしゃった。
人を恨むな。
憎しみは、何も生みはしない。
ただ自分の大切な物を失い、身を亡ぼすだけだと……。
だから私は、必死にお前への恨みを忘れようとした！！
お前を許そうとした……。
けれど、お前の顔を見ると、やはり思い出す……。
十年前の、あの日の事を……。
教えろ、勇斗……。
何故殺したんだ……。
皆を……
私の親を……
何故殺したんだ！！」
目に涙を浮かべ、仁人は佐野に問いました。
あの日、宝物殿で、何故佐野は盗賊団の仲間を皆殺しにしたのか。
例え、救いようのない罪人だったとしても、何故、仁人の親は死ななければならなかったのか。
仁人はそれが知りたかったのです。
佐野「ふん……。お前に教えることなど、何もない」
しかし、佐野はそう言って、仁人をあざ笑うだけでした。
そして、それを聞き、仁人は刀の柄を握り直すと、ゆっくりとその刃を振り上げました。
仁人「勇斗……。お前は中津国中から追われる罪人だ。ここで死んでも、誰も悲しみはせんだろう……。
だから今ここで……私がお前を
舜太「お、おい！！何やってんだ！！」
太智「仁人先生！！やめて！！」
仁人「止めてくださるな……！もう……手遅れにございます……！」
舜太と太智の制止も聞かず、仁人は手に持ったその刀を佐野の首めがけて振り下ろす、まさにその時でした。
「勇斗兄ちゃんをいじめるな！！」
いつの間にやら、仁人と佐野の間に、小さな子供が割って入っておったのです。
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年7月13日 21時
