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舜太「見つけたぞ盗賊。俺の刀、返してもらおうか」

太智「あと、おいら達の武器と防具もね」

佐野「お前ら……なぜここがわかった……」

舜太「そんなことはどうでもいい!とにかくその刀、とっとと返しやがれ!!」

言うや否や、舜太はすでに佐野へと駆けだしていました。
しかし、突然の二人の登場に驚いて目を丸くしていた佐野ですが、すかさず背に担いでおります長尺の棒を手に取ると、それを振るいました。
刀や防具などの大荷物を背負っていても、佐野の動きは相も変わらず豪快で、長棒の先端は舜太の鼻先をかすめたのです。

舜太「ぐっ、あっぶな……」

佐野「せっかく命まではとらんでやったというのに、今度こそ容赦せんぞ」

太智「……。いいよ、容赦なんかしなくって。早くその岩融を抜きなよ」

まるでそれを誘導するように、太智は佐野の腰の大剣を見据えておりました。

佐野「ほう、そんなに死にたいのか。ならば望み通りにしてやろう。この大剣、岩融の錆になるがいい」

腰から抜かれた大剣、岩融。
常人ならば、両手で持っても体勢を崩しそうな程の大きな刀を、佐野は片手で軽々と扱い、更に左手には棒を持ってなお、その動きは微塵も鈍ったりはしませんでした。
岩融から放たれた爆風が、地面を吹き飛ばし、太智を襲います。
しかし、太智はその身軽さで、何とか木の枝に飛び移り、様子を伺っておりました。

太智「何度も同じ手は食わないよ!さぁ、おいらはこっちだ!!」

佐野「何のつもりだ。俺を罠にでもはめようってのか?」

太智「へへ、中々鋭いね」

佐野「小賢しい。その木もろとも吹き飛べ!!」

その言葉通り、佐野の振るった岩融の爆風が、森の木々を薙ぎ払って行きました。
後には倒れた大木が散らばるだけ。
太智はまたも別に木に乗り移り、枝の上から佐野を見下ろしていました。

太智「こっちこっち!!」

佐野「……遊びは終わりだ」

段々といらだった表情を浮かべる佐野に対し、それを見ていた太智はにやりとほくそ笑んだのです。
まるで、この時を待っていたかのように。
そして、佐野が思い切り岩融を振り上げた瞬間でした。
太智は木の枝から飛び降りると、なんと自ら佐野の間合いに入り込んでいったのです。
このままでは、太智はあの岩融に真っ二つに斬り裂かれるにも関わらず。

太智「さぁ、こい!!」

真っすぐに太智の脳天めがけ、大剣、岩融は振り下ろされました。

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作者名:milkssss | 作成日時:2020年7月13日 21時

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