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でも、まだ遅くはない。
今、目の前にいる鬼を斬ることができれば、きっとそれが天国にいるお爺さんやお婆さんの弔いになる。
そうだ、鬼を殺さなくては。
こんなところで、まだ死ぬわけにはいかない。
光りを失った舜太の瞳に、再び復讐の炎が灯りました。
舜太「殺してやる……。殺してやる……！殺してやる！！！」
指の間に引っかかった刀を握り直すと、舜太はそれを振り上げ、自分の体を貫いている鬼の首を狙って刀を振り下ろしました。
見事刃が鬼の首を一刀両断。
鬼の首の断面から赤い血が湯水のようにあふれ出し、やがて動かなくなりました。
どんな傷もたちまちに治ってしまうほどの凄まじい生命力を持った鬼ですが、しかし、首と体を切り離されると、どうやらさしもの鬼も絶命してしまうようです。
舜太の体に突き刺さったままの鬼の頭も、絶命と同時に萎れた花のようにしぼんでいき、舜太の体から抜け落ちていきました。
舜太「殺せた……！」
しかし鬼はまだ残っています。
もう一匹の鬼が、大きな巨体で舜太めがけて飛び掛かります。
けれど、復讐の炎が灯った舜太の瞳には、不思議なことに、その動きがとてもゆっくりに感じられたのです。
舜太「死ね！！」
舜太の振るった刀が、鬼の体を真っ二つに切り裂きました。
その傷口から、まるで雨のように夥しい血が降り注ぎます。
けれども、胴と頭がつながったままの鬼は、死ぬことなく、まだ少し動いていました。
再び動き出す前に、完全に息の根を止めなければなりません。
舜太は返り血の付いた刀を振り上げ、そして、その切先で二つに割れた鬼の頭を串刺しにしたのでした。
一回だけではなく、何度も、何度も。
舜太「死ね……！死ね……！死ね……！死ね……！」
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年7月12日 18時
