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小さな村の住人を貪るその異形の姿。
人間の二倍はあろうかという巨体。
頭に二本の角を携え、不規則に並んだ牙。
大きく切れ長の目は異様な光を放ち、その腕には人の臓物が握られています。
この村の住人は、全てこの鬼が食い殺した後でした。
そこかしこに肉の塊へと姿を変えた人々の死骸が転がっているのです。

舜太「ようやく見つけた……!」

脇に転がる村の住人の死骸などものともせず、舜太の目にはあの鬼しか映っていません。
そして、腰に携えた一口(ひとふり)の刀を抜いたのです。

舜太「殺してやる!!!」

刀を振るったことのない舜太でしたが、しかし、まるでこの刀に導かれるように、彼はその刃を鬼に向けて振り下ろしました。
鬼にはどんな武器も通用しないと聞き及んでいたはずですが、刃は鬼の大木のように太い腕にずぶりと入り込んでいき、やがてその腕を切り落としました。
(うな)り声をあげて暴れる鬼。
切り落とされた鬼の腕は血をまき散らしながら地面に落ちていきます。
 

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作者名:milkssss | 作成日時:2020年7月12日 18時

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