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門番「そ、そんなこと……」
仁人「あぁ、半日後には激痛とともに吐き気と下痢に襲われて、苦しむことになるやも……。おー怖っ……」
仁人の言葉で、門番二人はお互い視線を送り合い、生唾をのみました。
半日後の自分の姿を想像し、そのような苦しみに襲われるのはやはり恐ろしいことです。
門番「本当に効果があるんだろうな……?」
仁人「!……もちろん、即効性抜群、すぐに効果が出ましょう」
笑顔で差しだされた竹筒。
薄緑色に揺れる液体が中に入っています。
門番「……わかった。よこせ」
仁人「承知いたしました。ささ、一気に召してくださいませ」
そして、門番は仁人から竹筒を受け取り、それを一口で飲み干したのです。
門番「うっ……苦いな……」
仁人「ふふ……良薬は口に苦し……でございます……」
門番「ん……?あれ……?なんだか……急に……頭……が……くら………く………ら………」
手に持っていた竹筒は地面に落ち、門番の足はふらつき、やがて彼らは糸が切れた操り人形のごとく地面にばたりと倒れました。
そして、もうぴくりとも動きません。
舜太「え?!あ、あんた一体こいつらに何したんだ?!ま、まさか毒を盛ったんじゃ?!」
仁人「なわけないでしょ。即効性のある睡眠薬です。まぁご安心召されよ。半刻ほどで目は覚めましょう」
舜太「なんてほら吹きだ……」
仁人「仕方ないでしょう?それとも、あの刀を取り返したくはないのですか?」
舜太「いや、そう言う訳じゃないんだけど……」
仁人「以外にそう言うところは純粋なのでございますね。ですがあながち嘘、と言う訳でもありません。彼らの飲んだ薬には多様な薬草を入れております。
目が覚めるころには体の不調は全て改善されておりましょう」
医者である仁人の煎じた薬は即効性抜群。
それに、様々な薬草を煎じて用途に合わせた薬を作ることができるのです。
睡眠薬はもちろん、多岐にわたる万能薬まで。
さらには禁断の……。
仁人「さ、増援が来ないとも限りません。すぐにこの扉を潜りましょう」
舜太「言われなくとも!っていうか何であんたが仕切って先に入ってるんだよ!」
そうして、二人は何とか閉鎖された都、明安京への侵入に成功したのでした。
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作者名:milkssss | 作成日時:2020年7月12日 18時