片思い？ ページ2
出久と離れ離れになって2年が経った
彼はヒーロー科、私は普通科
私の知らないうちに
どんどん成長していった幼馴染は
いつの間にか有名人になっていて
気づけば遠い存在になっていた
ヒーロー科は1年の時に起きた
USJ事件以降、何かと敵との接触が多くなり
結構大変な高校生活を送っているようで。
毎年行われる体育祭で
毎回注目を受けている彼を見るたびに
遠い存在になったなーと思う。
「最近、ヒーロー科注目されてるよね
昔に増して」
「そうだね〜」
珍しく友達と食堂へ来てみると
たまたまヒーロー科の面々を見かけた
その集団をこそっと見つめる沢山の他の生徒も
ヒーロー科の面々の中には
勿論出久もいて
彼は恐らく気づいてないと思うが
密かに後輩の女の子からも人気がある
昔から出久が好きな私にとっては
当然いい気はしないわけで
毎日毎日憂鬱な日々を送っていた
「Aさ、
頼んだの取りに行かなくていいの？
緑谷くんばっか見てないで早くしないと
時間なくなるよー」
「あっやばい忘れてた！！
てかまて！出久ばっか見てないから！」
机から乗り出して反論すると
見事におデコにデコピンをされた、、
「いっ、、とって来ます、、」
「はーい」
考え事をすると周りのことを忘れる
癖をどうにかしないとな、、
友達にアタックされた部分を
さすりながらとぼとぼ歩いていると
突然腕を掴まれた
「っえ、「おい」
後ろを向くと、あのNo.2の息子である
轟くんがいた
全く接点のない人からの突然の声に
驚きしかない私は固まったまま彼を見つめた
彼もまた私を見つめてくるので
腕を掴まれ見つめ合っているという
謎の状況に陥ってしまう
「...ハンカチ落としたぞ」
「あっ、はい、ありがとうございますっ」
反対の手から渡されたハンカチを
震える手で受け取る
何事かと思えば、、
身構えすぎて震えてしまった
この人何考えてるかわからないんだよね、、
「......あの、、まだ何か、、？」
用は済んだはずなのに何故か私の
掴まれた腕は離されることはなかった
ずっと変わらずしっかりと掴まれている
イケメンで強い個性を持っている
No.2の息子が、女子の腕を掴んでいる
この状況は野次馬にとっては
非常に興味深い状況で
直ぐ様私たちの周りがザワザワし出した
今まで特に目立ったことのない私からしたら
こんな状況は初めてのことで
冷や汗が異常に出ているのがわかる
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作者名：夜ノ | 作成日時：2018年5月28日 22時
