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私にはずっとずっと好きな人がいた。


その人は名前を見ての通り優しくて、明るくて、そして笑顔にさせてくれるそんな人。


「おーい高橋!早く帰ろうぜ!!」

「ちょっ岸、待ってよ!!」


こうやって振り回されて迷惑な事もあったけど、


「ほれ、早く乗れ」

「うん!」


岸に振り回されるなら、私はそれでいいと思ってたの。


「なんかさ、自転車で2人乗りとかなんか青春っぽくね?」

「...そうだね」


いつもそうやって私を期待させるような事ばっかり言うけど、


「いつか絶対美琴ちゃんを後ろに乗せてみせる!!」

「...そんなの岸のくせにできるかなー」

「おい、高橋ひどいぞ!俺の親友のくせに!」


岸が私を好きじゃないことくらい、痛いほど伝わってきてた。



親友。

それは恐ろしい呪いで、頑張ることさえも許してくれない呪い。

でもその立ち位置に私が入れるのなら、そのままでもいいと思ってたんだよ。




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作者名:ももんが | 作成日時:2017年5月11日 19時

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