星屑

Hoshikuzu７ ページ8

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「あそこのプラネタリウム、俺好きだからさ、よく行くんだよね」


「…私もです！すごく綺麗ですよね」









こんなド田舎に、ポツンっと立っている科学館。


人はあんまり来ないけど、私は週１のペースで行ってる。


１人では寂しいから、たまに陽菜とか優太とか誘ったりしてるんだけど。









「…だからさ、水野さんの顔見た時、俺目当てで入ったんじゃないんだってわかった。
…キツく当たったの申し訳ないなって思って」


「そう、だったんですか…」









きっと、佐藤先輩目的でたくさんの人が天文部に訪れてるんだろうな〜。


そりゃあ、嫌でもきつくなっちゃうよね。


…モテる人って大変なんだな…









「星、好きなの？」









少し私より背の高い先輩が、屈んで私の顔を覗き込む。


えっ何事！？近っ！！！


…よーく考えると、
初めの動機は佐藤先輩じゃないけど、一目惚れなんてしてしまったら、他の人と一緒だ。









「…す、好きです。」


「ふっ…なら入ってくれてよかった」









ポンッと私の頭に手を乗せてくしゃくしゃっと撫でてくれる。


触れられたところが熱くなっていくのがわかる。









「部室行こ、みんな待ってる」


「…っはい！！」









歩き出した佐藤先輩の後ろについていく。


…後ろ姿までかっこよく見えるなんて、私ってどうかしてるのかな？









「歩くの遅い」


「すっすみません！」









少し不貞腐れながらも、私の隣に並んで歩く速さを合わせてくれる佐藤先輩に嫌でもときめいて。


顔が赤いことに気付かれないように、そっと俯いた。









…天文部にいるには、この気持ちはバレてはいけない。









誰にも気づかれないように、佐藤先輩への思いは、部活の時だけはそっと蓋をしよう。



…そう心に誓った。









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