【メローネ】同僚が犯罪者ギリギリのストーカーなんだがどう思う (ページ14)

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逆らえないモノ8 ページ14

「へぇ」

さっきまで痛がっていたのが嘘のように、目の前の男は目を細めこっちを見る。

「今、何でもするって、そう言ったよな？」

…自分で言っててマズいと思った。
こいつの目的はなんだ…金か？機密文書の開示？

私にはそんな権限はないけど…ここで断ったら確実に殺られる。

「…何をお望みですか」

「望み？お前が犯した失態なのにか？
いいか、これは罰だ。そこは履き違えんな」

こっちに歩いてきた息子は、私の顎を掴んで持ち上げた。

「て、ことで罰だ。今からお前は俺の言うことに逆らえない。いいな？」

…反論したいけど、こんなことになったのは自分の責任だ。
耐えるしかない…

「…分かりま」

「分かりました」と言おうとした矢先、部屋のドアが乱暴に開けられた。

「楽しそうだな。やっぱり命令したくなるよな、Aってさ」

ドアを蹴破って話す露出の多い服の男………これは紛れもなく、

「メローネ…！？」

「こーゆーのってセクハラっていうんだろ？全く、外道な野郎だ」

いやオメーもだわ。
この非常事態に何ツッコミ入れてんだろうと思う訳だが、メローネの後ろにもう1人見知った男がいることに気がついた。

「え、イルーゾォ！？なんで！？」

「リーダーの命令だ」

ため息をつく彼は、左手にさっきのフードの奴を引きずっていた。

「え！？！？さっきの犯人……」

「A、この男は無理やりお前を服従させようとしている。すぐに離れろ」

「っ、は？」

事態が急展開を迎えたので、さすがのご子息も私から手を離した。

「だいたいお前らは誰だ？そんな無礼を働いて、どうなるか分かってんのか」

「それはこっちのセリフだな」

イルーゾォは、首根っこを掴んでいたフードの奴を床に放し、フードを取った。

「この顔に見覚えは？」

真剣な表情で私を見据えるメローネに、思わず首を縦に何度も振った。

「り、リーチェさん！」