逆らえないモノ7 ページ13
外まで調査に行ったら少しまずいことになったと悟った。
『あそこの息子さんでしょう?それなら、毎日違う女の子連れ込んでるって話よ』
『噂によれば権力使って色んなことしてるとか』
カフェにある鏡の中で女達の話を聞いて、俺はメローネの方を見た。
「グレーな噂ばかりだな。やばいんじゃあないのか」
「うーん…どうにかもう一度、あの男の部屋に入れないだろうか?」
「隙を見ていくしかないだろうな、ほら行くぞ」
女達がいなくなったところを見計らい、鏡を出る。
「屋敷の警備はどうくぐる?」
「ベイビィ・フェイスに先行してもらおう。裏道を通りまくる」
まったく、ほんとに依頼者をなんだと思ってるんだリーダーは。
捕まっても知らないからな。
俺達は屋敷まで全速で走った。
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本当にやってしまった。
トイレに行ってきただけなのに、フードを被った何者かが息子さんに跨っていた……………!!
「、A…!」
「ぱっちゃん!!!!!」
ご子息の叫び声に、すぐにベッドまで走りバリアでフードの奴を弾く。
「〜っ」
フードは何が起こったかわからない様子だったが、咄嗟に受身を取ってそのまま部屋から逃げていった。
…ここで追って、この人にまた何かあったら敵の思うツボだ。
逃げていくのを横目で見ながら、私はご子息に駆け寄った。
「大丈夫ですか、本当にすみませんでした!!」
「……クソ、まだ痛ぇ」
掴まれていたのだろう腕をさすりながら、ご子息はそう呟いた。
…やってしまった。完璧に私の仕事意識が足りてなかった。
たまたま生きてたから良かったけど、もし失敗してたらどうなってたか………
失敗して私だけじゃなく、責任者のリゾットまで首が飛んでたら…ということを想像してゾッとした。
こんなの、依頼主にバレたら終わりだ……!!
「お前、俺の事守るんじゃねぇのかよ」
「も、申し訳ございません…」
ご子息に冷たい目で睨まれる。
当たり前だよね…死にかけたんだから。
「これは親父に報告するしかねぇよな」
そう言って私を冷ややかに見つめるご子息。
目が訴えてる、「どうなるか分かってるよな?」
やめてくれ…自分のミスでリゾットを巻き込みたくない!!
「お願いします!私にチャンスを下さい、もう二度とこんなことにはしません。
…何でもしますから」
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ななちき - き、気になるんですけど…… (2022年8月16日 20時) (レス) @page14 id: 7300d8e425 (このIDを非表示/違反報告)
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