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「 三、隊室は狭くなっても大丈夫ですか？ 」
これは抽象的な質問だ。
「 ．．．例えば籠城することになったときは今のスペースが必要です、 」
「 しかしオペレート、ベイルアウト用マットなどのみを置くなら狭くしても大丈夫です 」
「 俺も風間さんと同意見ーでも私情を挟むと、狭くはならないでほしい 」
場合によって必要なスペースが決まるということだ。つまり、隊室の役割についてこちらが、
ハッキリさせておかないと質問にも答えずらいのだ。それを、上層部は協議しなければならない。
実際問題、本部運営については雨海と忍田が行っており決定権を持っている。しかし、界境防衛機関の評判にかかわること、隊員育成に関することは城戸が決定権を持っている。
隊室をもらえると聞いて、境界防衛機関に入隊する者も多い。だから、これは城戸が決める事だ。
「 じゃあ、これで質問は終わり、 」
「 なにか聞きたいことはある？ 」
これは、雨海なりの感謝料だ。太刀川には伝わらなくとも風間には伝わるだろう。
「 . . . . . . 」
風間は少し考えこむような動作をしていた。たしかに、これはむずかしい。
限りなく上層部に近い人物が情報をただで渡してやるというのだから。
「 なぜ、情報処理担当という役割があるのでしょうか？ 」
「 隊員と上とのクッション。そして、彼ら達は私に託すべきものがあるからだよ 」
「 託すべきものとは、 」
「 意思、技術、その他諸々 」
城戸達は未来を見据えている。界境防衛機関の3年後、１０年後を、だ。実際には表向きの
地位などは嵐山らが継ぐだろう。しかし、旧界境防衛機関の意思は雨海が継がなければならない。
迅や木崎も巻き込まれる。ただ、雨海は巻き込まれるのが早かった。それだけだ。
小南は城戸達にとってはいつまでたっても子供であるから、多分巻き込まれない。
「 ．．．大変ですね 」
「 まって、それだと俺たちも巻き込まれない⁉ 」
「 まあ、確定してる未来だよ。風間君は、 」
もとよりそのつもりではないのか。と聞こうと思ったが自重しよう。
「 わかっていたようだけれど 」
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作者名：ももさん | 作成日時：2021年9月8日 16時
