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recognize ページ17
＿ １６
本部は基本的に不夜城だ。
ただ、隊員の大半は学生なので放課後は喧噪にあふれている。
本部の施設は１６時から２０時にラッシュが来て、食堂は１８時に混む。
(そして、幹部とエンジニアは１５時に昼食、２２時に夕食なるセオリーがあるので、食堂は２４時間営業になっている。)
現在時刻は２０時３５分。
大学生以上の隊員が多く集まる本部食堂にて、某広報部隊の隊長さまと某実力派エリートさまが談笑している。明るいうちにこんな事をしたら、すぐにC級隊員に囲まれるのだけれど、この時間帯はその限りでは無い。
「 迅は、この報告書出したのか？ 」
「 ん〜いやぁ、出してない。それ、隊員全員が出すやつ？ 」
「 うん 」
「 多分、レイジさんがやってくれてる 」
「 えっ、普通は林藤さんじゃないのか？ 」
「 迅は、この報告書出したのか？ 」
「 ん〜いやぁ、出してない。それ、隊員全員が出すやつ？ 」
「 うん 」
「 多分、レイジさんがやってくれてる 」
「 えっ、普通は林藤さんじゃないのか？ 」
沢村は、手に資料を抱えて、駆け足で二人へと向かった。
こんにちは、嵐山くんごめんねと素早く言い放ち迅に真正面に立った。
いつもの余裕のある雰囲気とはうって変わり、ピリピリと殺気だっている気がする。
「 迅君、君は琥珀の同期でしょう？ 」
「 …うん 」
「 あの子、屋上にいるわよ 」
「 沢村さん、ありがと 」
この世代には、横のつながりがあるなあ、と思いつつ嵐山は沢村に、珈琲いります？と声をかけた。
お言葉に甘えて、と肯定が返ってきたので、カップで出てくる方の自販機で買った。
どうぞ、と言って渡したが、ふと考えると、忙しいのだからペットボトルに入った温かいお茶にでもしとけばよかったかもしれない、と少し後悔した。
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作者名：ももさん | 作成日時：2021年9月8日 16時
