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三門市長への説明が終わって、界境防衛機関に着いてからは、そこそこ忙しかった。まず、隊員たちへの説明。隊長とはいえ、高校生もいるので早めに終わらせないといけない。着いたのが六時。A級とB級上位の隊長を招集するから、集まるまでに時間がかかる。だが、自分で作成できる資料は電車の中で作っていたので、あとは開発室と本部指令室に行って必要なものを集めるだけだった。
ただ、開発室が、本当に、意味が分からないのだ。
「 これと＿＿ああ、これもだ。えっと、このA回路ってやつとB回路がここでつながって、こうなるんだけど…門が開かれると、このプログラムに影響して、 」
みたいな調子なのだ。ソースを示しながら伝えてくれるのだけど、ハッキリ言って＿＿いや、ハッキリ言わなくても＿＿意味が分からなかった。隊長の皆さんに伝えるために、日本語にしないといけないのに、まずまず理解ができない。自分も普通の内容なら、理解できる。ただ、トリオンが関係してくると、難易度が数十倍は上がる。隊長たちを招集した時間まで残り３０分。死ぬ気で、日本語にして、コピー機のある売店に(一瞬だけトリオン体に換装して)駆け込んだ(トリオン体なので息は切れない)。まあ、売店には戦闘員を引退した先輩がいて、話しかけられたのだが。
「 雨海、どうした？そんなに慌てて 」
「 開発室の人から、教えてもらった内容を文章にしてたんです 」
「 そうか〜あそこは意味わかんないもんな。今度飲みに行こうな 」
「 ありがとうございます、 」
抑えていた会議室には、多分全員がそろっていて、まず、手に抱えた資料を配った。
「 情報処理担当の雨海です。知っている人もいると思いますが、本日、市街地に門が発生しました。一件目は三門市立第一高校。二件目は三門市立大学。三件目は＿＿＿＿では、終了します 」
手短に済ませたくて、ほんの１０分の説明だった。自分がでないと、隊長たちは席を立ちにくいと思い、前の扉から出る。廊下にあるベンチに座って待っていると、東が近づいてくる。
「 お疲れ 」
「 ありがと。まだ、やることはたくさんあるけどね 」
「 知ってる 」
「 東さんにも、渡していいかしら？今ならなんと、徹夜の必要が無い量よ 」
「 ……誰の真似だよ 」
「 加古さん 」
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作者名：ももさん | 作成日時：2021年9月8日 16時
