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唯一このクラスでまともを保っているとするなら、彼ぐらいだろうか。
ふっと視線を真後ろへ泳がせれば、規則正しい寝息に合わせて上下する骨ばった肩と男子には勿体ないくらいのサラサラな黒髪が流れ落ちるのが目に留まる。
国見英くん。
ここ1週間寝ている姿か塩キャラメルを食べる姿しか見ていないが、国見くんは優香に気はあるのだろうか?というか関心すらあるのか?
疑わしいところだが、この状況で寝ているあたり余り興味はないらしい。このクラスで常識人は私だけかという不安がすうっと身体の外へ逃げ出していく感じがした。何かスッキリした気分。
「それより部活何入るのか決めた?見学今日かららしいじゃん。放課後一緒に周らない?」
国見くんの寝ている姿を見ていると優香やお馬鹿なクラスメイトに振り回される自分が馬鹿らしくなってきて、話を変えた。優香は「うーん」と考える素振りをして、少し黙り込む。クラスは一変して、また優香に視線が集中していた。
借りを返す為になったとはいえ、優香とはまだ日は浅いとはいえ。何だかんだ友達なんだ。思考が分かりやすい優香は私のことが好きみたいだし、私も優香のことは好きな方だ。ちょっとくらい雑にあしらおうが、軽口を叩こうがクラスメイトには関係ない。
矛先がどう牙を剥こうが私は関係ない。
そう思えばちょっとだけ、このお馬鹿なクラスメイト達も天に二も三も与えられた優香のことも大して頭を使うようなことではないような気がしてきた。
「あ、そうだ。バレー部のマネージャーをするんだった。」
否、優香に関しては必然と頭を使う必要があるらしい。
「するんだった……?もう決めてたの?」
「うん。幼なじみがねバレー部に入っていて、それでマネージャーをやってほしいって頼まれたんだ。」
「ふーん」と適当に相槌をつく。
そういう大事なことは先に言ってほしかったなとは思う。
友達同士でも「ホウレンソウ」は大事だと道徳の授業で習わなかった?でも、優香だからと言われれば返す言葉がない。
「じゃあ部活見学は私一人で周ることにするね。一人はちょっと寂しいんだけど……」
仕返しに、とちょっと悲しそうに俯いて言うと優香が驚くのが手に取るように分かった。
「えっ、あっ……」
いつも優香に振り回されているせいか、少しばかり気分が良い。どうするのかな〜と次の言葉を待っていると、流石優香。私を驚かせるには十分の爆弾を落としてきた。
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ぴよこ(プロフ) - モモさん» そうですね……詳しくは言えませんが勿論ございますよ^^どういったオチを迎えるのか、それまでこの作品を見守って頂けると嬉しいです (2023年3月19日 17時) (レス) id: 58596194ea (このIDを非表示/違反報告)
モモ - ぴよこさん» えっと、どっちもです!わかりにくくてすみませんm(__)m (2023年3月19日 13時) (レス) id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - モモさん» お気遣いありがとうございます。とても嬉しいです( *´﹀`* )まだ本調子ではありませんがその内溜めていた分の話を更新しようと考えています。オチについてですが、誰オチかということでしょうか?それともハッピーエンドとかのそういうオチでしょうか? (2023年3月18日 18時) (レス) id: 58596194ea (このIDを非表示/違反報告)
モモ - お大事にしてください。この作品、大好きです!一つ、質問いいですか?オチってあるんですか?図々しくすみませんm(__)m (2023年3月18日 15時) (レス) id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよこ | 作成日時:2023年3月2日 22時