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「約束通りマネージャーしに来てくれたの?」
「徹にぃ……あの……」
優香に徹にぃと呼ばれたその先輩は茶髪のふわふわとした髪を揺らしながら、女子の間を縫ってこちらへやってきた。
これが噂のイケメン先輩。最悪な状況での初のご対面。
そのご尊顔は、というと正直に言ってあまり好みではなかった。
なんだろうか。さっきのせいか私の目にフィルターがかかってしまったのかもしれないが、全身から滲み出るようなチャラさが何処と無くムカつく。
これならまだ国見の方がかっこいいのでは?
「あっ、みんなごめんね!もうマネージャー候補の子が来たからマネージャー募集は終了するよ。
これから仕事を教えていくから用のない子は速やかに出ていってね!」
先輩は今になってこの状況に気がついたのか、突然急かすように退出を言い放った。
無慈悲。用がない子なんて居ないだろうだろうに。
みんなもっと問い詰めたいことがあるような、なんとも言えない神妙な顔持ちで去っていく。彼女達が言いたいことを言わないのは好感度を下げたくないからなのかもしれない。ならそれもこれも全ての原因はこの先輩のせいだ。
どうか私と優香を恨まないで、と多分無意味な願いを最後の退出者の背中にぶつけておく。
最後の1人が退出して__先程とは違いがらんとした体育館で、私と優香と国見はバレー部員の先輩方と向き合った。正確には向き合っているのは私と国見で、優香は先輩方2人の間に挟まれているのだけれど。
「えっと、自己紹介が遅れたね!
俺はバレー部部長の及川徹でこっちの怖そうなのが__」
「誰が怖そうだ。俺はお前の方が怖ぇよ
えー、初対面のもいるな。俺は副部長の岩泉一だ。
他の部員は左から花巻、松川、渡、矢巾だ」
「あっ、国見です。まぁ、中学に引き継ぎよろしくお願いします。」
「えっと、夢崎です。徹にぃと一にぃとは幼なじみです。よろしくお願いします!」
淡々としていたが一通り自己紹介が終わったのか視線が促すように私にへと集まった。聞いている限りみんなどっかしらに関係を築いているらしく、完全部外者の私が最後に自己紹介は気まずい。
「えー、1年の本村Aです。優香とは友人で優香に誘われてマネージャー見学に来ました。よろしくお願いします」
警戒されてるいるのか拍手もリアクションも何もない。私の自己紹介が終わっても部長、副部長の疑いと探りを入れるような視線の感じが何かにまとわりつかれてるようだった。
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ぴよこ(プロフ) - モモさん» そうですね……詳しくは言えませんが勿論ございますよ^^どういったオチを迎えるのか、それまでこの作品を見守って頂けると嬉しいです (2023年3月19日 17時) (レス) id: 58596194ea (このIDを非表示/違反報告)
モモ - ぴよこさん» えっと、どっちもです!わかりにくくてすみませんm(__)m (2023年3月19日 13時) (レス) id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - モモさん» お気遣いありがとうございます。とても嬉しいです( *´﹀`* )まだ本調子ではありませんがその内溜めていた分の話を更新しようと考えています。オチについてですが、誰オチかということでしょうか?それともハッピーエンドとかのそういうオチでしょうか? (2023年3月18日 18時) (レス) id: 58596194ea (このIDを非表示/違反報告)
モモ - お大事にしてください。この作品、大好きです!一つ、質問いいですか?オチってあるんですか?図々しくすみませんm(__)m (2023年3月18日 15時) (レス) id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよこ | 作成日時:2023年3月2日 22時